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ケータイを持って
震えています
同社はデコメールや着メロなどのサービスを行っていたが、利用者の中心である中高生が巻き込まれる携帯電話に関連する事件が社会問題となった。そこで社内から何かできないかという声が起こり、「こころ部」がスタート。
紙本氏は、このプロジェクト立上げの中心だ。「プロジェクトチームの中で、子どもの心のケアができないか、と話題になった」のが、きっかけだと話す。「ケータイを使って、ケータイの使い方やコミュニケーションの方法を学べる内容」のサイト「こころ部」が立ち上がった。
マンガで楽しく分かるケータイの使い方コーナーや、架空請求などの被害にあわないためのクリック疑似体験コーナーなどがある。特筆すべきは、ケータイやコミュニケーションの悩みが相談できる質問コーナーだ。
「苦手な友達がいます。サイトに登録したら迷惑メールがたくさん来ます、といったものから、小説のサイトに登録したら実は出会い系サイトで、29000円請求され親には怖くて言えず、携帯電話を持って震えていますなどという切実な相談が寄せられます。親に相談すると、怒られて携帯電話を取り上げられてしまうので、子どもたちは相談ができない」と紙本氏は指摘する。
受験も楽しく応援
また、同社は中高生を対象に、携帯電話で遊びながら勉強できるサイト「uchico」も運営している。15分でできる「実力診断ケータイ模試」、語呂合わせで年号を覚える「歴史deラップ」、面接体験ゲームや暗記デコ画など、楽しく勉強できる内容がそろっている。
特に人気なのは「みんなのきもち掲示板」で、悩みを書き込んだり、励ましたりして、孤独になりがちな受験生がお互いを支えあっている。紙本氏は「ありがたいことに、このサイトのおかげで合格できましたという声が多く寄せられている」とうれしそうに語った。
「こころ部」では、保護者や先生向けにできることとして「子どもとケータイ」講座を実施している。
ケータイ講座
親対象に開催
「こころ部」に寄せられた相談を元に、保護者や先生にケータイと子どもについて話す内容だ。「『uchico』『こころ部』をもっと広く知ってもらうためにも、これからはこうした活動を積極的に増やしていく予定」だという。
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【2009年08月08日号】