最新IT教育―実践、成果を報告―ICT|フィンランド教育 |
利点の1つとして注目される導入コストについて、同研究所の新井紀子氏(社会共有知研究センター長)は4つの導入モデルを紹介し検討した。
4モデルは、@分散型=各学校でサーバを購入して導入、A集約型=教育委員会で集中管理を行う、Bアウトソーシング型=教育委員会単位でSaaSサービスを購入する、C混合型=秘密情報系は集約型で行い、非秘密情報系をアウトソーシングする。
教委単位のSaaS利用で予算1/30に
その結果、最も安価なモデルは「アウトソーシング型」で「分散型」と比べると5年間で1/30の予算に抑えられる。また、校務などの秘密系情報は教育センターで「NetCommons」を集約型で利用し、学校HP等の非秘密情報はアウトソーシングする「混合型」においては、「分散型」と比べて1/5に抑えられるという。市販の製品・サービスを購入するケースと比較すると更なる導入効果が期待できるだろう。
学校Webサイト運用に利用する栃木県佐野市教育センターの谷直人氏(指導主事)は、「ソフトウェアの導入費用の負担が軽減され、学校の管理負担も軽減できた」と導入効果を説明。特別なスキルがなくても簡単に情報発信できるため、学校全体で更新しようという雰囲気が生まれるという。同市内38校中20校が正式運用(21年度3月現在)しており、昨年度開催された「第9回インターネット活用教育実践コンクール」(主催 文部科学省ほか)で、文部科学大臣賞(学校教育部門)を受賞するなど成果として表れている。
【2009年04月04日号】