“線”だけでなく、教育への関心をつなぐ
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教室へのインターネット導入(校内LANの構築)をボランティアの手で実現する「ネットデイ」が米国ではじまったのが、平成7年3月。日本でも同年6月、ボランティアの手で100校プロジェクト参加校の前橋市立第四中学校の約20教室がLANで結ばれる。その後各地でネットディが行われるようになった。ボランティアにより、教室がインターネットに結ばれた学校は100校以上になるという。
こうした中、ネットディに取り組んでいる団体の情報交換と横の連携を目指して、「ネットデイサミットin群馬」が8月8日、前橋市ではじめて開かれ、約240人が集まった。
サミットでは、群馬県内の多数の学校をインターネットに接続した実績を持つ「インターネットつなぎ隊」のメンバーの座談会や、村井純・慶應義塾大学教授の講演、ネットディを実施している日本の8団体による円卓会議が行われた。
インターネットつなぎ隊の座談会で、・隊員・の大手コンピュータメーカーの会社員は、「オフラインミーティングで、子どもの通う学校の先生から声がかかった」と参加しているきっかけについて。教育委員会の情報教育担当指導主事は、「学校だけでなく、地域の教育に関心のある人たちをつないでいる」とこの活動を評価。活動に参加している小学校の先生は「様々な職業の人たちと出会えるのが財産」、中学の先生は「自分たちの手でコンピュータ室を移動しよう、拡張しようと教員の意識が変ってきている」と効果を語る。
前橋市では、教育長名で正式にインターネットつなぎ隊に、市の教育ネットワークの構築・運用について文書で依頼。ネットワークのトラブルなどの最終責任は教育委員会が負うことになっている。
パネルディスカッションでは、ボランティアと行政との関わり、ケーブルを通すため校舎に手を入れることに対する教師側の自主規制の問題、いかにネットワークリテラシーを促進するか、などが話し合われた。
行政がいかにこうした活動を受け入れてくれるかという課題があるが、ある団体の参加者は、「我々は、行政と対話して正面から進めていかなければならない」と。
サミットでは、最後に共同宣言を採択。ネットデイを「・学校・を身近にし、・学校へ行こう・という勇気を与える出発点」と位置付けた上で、学校開放の促進、行政の適切な支援、企業によるボランティア活動の承認、地域社会の学校への積極的関与、自分たちの限界を認識した上でのボランティアによる必要な支援を提言した。
またサミット後、今後の展開のため、「ネットデイ推進協議会準備室」が設置された。
問合せ・0726・27・6431
URLhttp://www.nic.ad.jp/jp/member/ml/edu-talk/msg00604.html
(教育家庭新聞99年9月4日号)
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