新たに総合学習52校、高校情報5校
教育課程改善の資料に
文部省研究開発学校に指定
平成11年度文部省研究開発学校連絡協議会が5月27日、東京・フロラシオン青山で開かれた。研究開発学校は、教育課程の基準の改善に資する実証的な資料を得るため、昭和51年度から設けられた制度。指定された研究開発学校では、開発課題について3年間、現行教育課程の基準によらない教育課程を編成し研究を行うことが認められている(学校教育法施行規則第26条の2、第57条の3)。今年度は、総合的な学習の課題52校、高校新設教科「情報」5校、高校新設教科「福祉」3校、中高一貫6校など74校が新たに指定された。平成9年度から実施されている小学校英語などの指定校とあわせ、2002年以降全国の学校で実施される新教育課程の実践などについて、経験的資料を提供することになる。なお、連絡協議会は2回にわたり開催され、総合的な学習の指定校の協議会のみ別日程の6月4日に行われる。
研究開発学校は、これまでも平成元年告示の現行学習指導要領で新設された「生活科」や中学校の選択幅の拡大、中高一貫教育の実施などについてそれらの教育のもとになる実証的な資料を提示してきた。
そして、今回は新教育課程の最大の課題となる総合的な学習について、また高校で新設される教科「情報」「福祉」について研究が進められることになる。連絡協議会では、研究開発学校の意義と概要について文部省から説明、平成10年度で3年間の研究を終えた福岡県筑紫野市立筑紫野南中学校の事例発表、教育実践を進めるにあたってのカリキュラム評価方法について田中統治・筑波大学教授が講演。この後、分科会に移り、中学校の履修方式、小・中、中・高の連携、職業教育の改善、小学校の基礎学力(小学校英会話)などの課題別に研究開発の進め方について、研究協力者の大学教授、文部省視学官などと協議を行った。
高校「情報」の研究校(清陵情報高校のみ普通教科「情報」、他は専門教科「情報」について)は、福島県立清陵情報高校、神奈川県立厚木商業高校、岐阜県立土岐商業高校、神戸市立六甲アイランド高校、和歌山県立田辺工業高校。高校専門教科「福祉」の研究校は、東京都立南高校、大阪府立松原高校、福岡県立久留米筑水高校。
総合的な学習の研究校52校は次の通り。
〈小学校22校〉
北海道厚真町立軽舞小▽宮城県小野田町立西小野田小▽福島市立福島第三小▽群馬県富岡市立一ノ宮小▽埼玉県草加市立高砂小▽千葉市立本町小▽東京都台東区立根岸小▽新潟県長岡市立大島小▽福井市社西小▽岐阜県美濃加茂市立太田小▽滋賀県彦根市立若葉小▽鳥取県郡家町立郡家西小▽島根県加茂町立加茂小▽広島県福山市立日吉台小▽高知市立横浜新町小▽佐賀市立開成小▽大分市立金池小▽鹿児島市立山下小▽沖縄県豊見城村立とよみ小▽岩手大学教育学部附属小▽熊本大学教育学部附属小▽琉球大学教育学部附属小
〈中学校16校〉
青森県八戸市立長者中学校▽岩手県葛巻町立葛巻中学校▽秋田県秋田市立御所野学院中学校▽山形県山形市立蔵王第一中学校▽神奈川県相模原市立谷口中学校▽石川県金沢市立紫錦台中学校▽長野県岡谷市立岡谷東部中学校▽静岡県岡部町立岡部中学校▽京都府長岡京市立長岡第三中学校▽兵庫県三木市立星陽中学校▽岡山県倉敷市立味野中学校▽山口県秋穂町立秋穂中学校▽福岡県前原市立前原中学校▽熊本県免田町立免田中学校▽茨城大学教育学部附属中学校▽山梨大学教育人間科学部附属中学校
〈高校14校〉
茨城県立つくば工科高等学校▽栃木県立藤岡高等学校▽神奈川県立大沢高等学校▽富山県立伏木高等学校▽愛知県立安城南高等学校▽三重県立昴学園高等学校▽大阪府立貝塚高等学校▽奈良県立大宇陀高等学校▽和歌山県立和歌山高等学校▽徳島県立富岡西高等学校▽香川県立津田高等学校▽長崎県立上五島高等学校▽熊本県立鹿本高等学校▽宮崎県立都城西高等学校
(教育家庭新聞99年6月5日号)
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