ネットワーク技術者の養成へ
慶応大学が4月からシスコのプログラムを採用
ネットワークの構築・運営・管理ができる人材が不足している中で、日本シスコシステムズは、慶応義塾大学環境情報学部が昨年12月から「シスコ・ネットワーキング・アカデミープログラム」の実験授業を始め、今年4月から本格的に授業を開始する、と発表した。
同プログラムは4期2年間の構成で、Webを使ったインターネット技術の基礎学習や、ルーターなどのネットワーク機器を実際に使ってのネットワークの設計・構築・管理の知識と技術を習得していくもので、シスコ技術者認定制度の一つであるCCNAを取得できる技術を身につけられる。同プログラムは、ネットワークの先進国の米国ではすでに50州1000校の高校、大学、技術専門学校などで授業が行われ、世界14か国でも展開されている。
21世紀はネットワークの時代。慶応義塾大学の斎藤信男・環境情報学部長は、同プログラムを採用した理由について、「慶応義塾大学では、ネットワークがないと教育、研究活動もできなくなっている。社会でも急速に情報化が進展しているが、ここで問題なのはネットワークエンジニアが不足していることで、シスコ社の提案するネットワークの教育プログラムは時代の要請に合っている。我々はこの必要性に共感し導入を決定した」という。
慶応義塾大学では、学内に1200台のパソコンを所有しネットワークでつなぎながら教育活動を展開している。
シスコ・ネットワーキング・アカデミープログラムの内容は次の通り。
I「ネットワークの基礎」〇OSIモデルと業界標準プロトコル〇ネットワーク・トポロジー〇IPアドレスとサブネット・マスク〇ネットワーク機器〇ネットワーク設計の基礎
・「ルーティングの理論と技術」
〇ルーター設計の初歩〇ネットワーク・プロトコルと経路制御プロトコル〇LANスイッチの基礎
・「ルーティングとスイッチング」
〇ルータ設定の中級編〇LANスイッチの上級編〇ネットワーク管理〇ネットワーク設計の中級編
・「プロジェクトベースでの学習」
〇上級ネットワーク設計プロジェクト〇上級ネットワーク管理プロジェクト
(教育家庭新聞99年1月1日号)