1500人の教師が参集

第24回教育工学全国大会開く


 11月27日、28日と岐阜県川島町および岐阜市で開かれた第24回全日本教育工学研究協議会全国大会(主催日本教育工学協会ほか)に、全国の小・中・高等学校の先生方約1500人が集まり、これからの情報教育のあり方を示唆する先進的な事例や、意義ある発表が行われた。
 今大会の公開授業の舞台となったのは川島町立川島小学校、川島町立川島中学校、岐阜県立岐阜聾学校、岐阜大学附属中学校の4校。
 川島小学校ではお絵描きソフトを使って不規則な形から絵に加工していったり、音楽ソフトでクラッシックの曲を自分たちのイメージに合わせてアレンジする姿が見られた。
 また川島中学校ではグループごとに発信したホームページの掲示板に返ってきた意見を参考にして、よりよいホームページにしていく授業や、島根県匹見町役場とEメールのやり取りを行い、過疎化の問題について考える授業が公開された。
 そして全体会では、日本教育工学協会会長の清水康敬先生が「子どもたちが嬉々として作品を作ったり、他校とインターネットで交流する姿を見せてもらった。今年は情報教育が新しい変革を迎える年。教育工学全体を行政関係からまとめるように展開していく」とあいさつした。
 また来賓で訪れた文部省生涯学習局学習情報課長の吉川晃氏は「進んだ教育に子どもたちが追いついている。情報教育の推進は文部省だけでなく自治省や郵政省と協力して進め、光ファイバーの接続も来年以降の3年間で稼働していくことになる」と語った。
 第1日目は公開授業と合わせて企業展示も行われ、約50社の出展ブースで最新の教育用ソフトや公開授業で用いられた製品などが展示された。
 2日目は場所を岐阜県生涯学習センターに移し、8つの分科会に分けて、研究発表が行われた。先生方は興味のあるテーマを聴講していった。
 高等学校普通教科「情報」の教材・指導法の検討と教員養成といったテーマでは現行の大学の教員研修のカリキュラムの操作中心のあり方より、「情報」科については、実際に授業を進める情報活用の実践力を身につける養成が必要だと東京工業大学の松田稔樹教授より発表がされた。
 参加した先生方は、公開授業や研究発表の成果を自校に活かすみやげとして、それぞれの学校に帰っていった。

(教育家庭新聞98年12月5日号)