約1000校に光ファイバーなど高速回線

30地域を選定し3年間研究


 光ファイバーなどの高速回線により約1000校をインターネット接続する地域型の研究事業が、12月4日の閣議で最終決定される。これは国の緊急景気対策の一環として文部省と郵政省が共同して要求していた「先進的教育用ネットワークモデル地域事業」で、約30地域(市町村)を選定。地域内の小、中、高校をそれぞれの地域の状況に応じて、光ファイバー、CATV回線、衛生通信、DSLなどの高速回線で結び、教育センターなどを経由してインターネットに接続する。
 当初計画では、郵政省が370億円、文部省が12億円を拠出。1500校程度を結ぶ計画だったが(1地域約50校×30地域)、郵政省側の予算額が300億円程度になる見込みで、約1000校(1地域約30〜40校×30地域)になりそうだ。研究期間は3年間で、期間中回線料は無料、全額郵政省が負担する。文部省側の予算には教育センターなどのサーバー費用なども含まれる。各地域のさまざまなネットワーク環境の基礎整備については、郵政省の外郭団体である「通信・放送機構リサーチセンター」が担当する。
 コンピュータやネットワーク活用の能力の伸展や地域における教育素材の蓄積(データベースの構築)、教師間の交流などが目的。選定については、「30地域程度が特色ある取り組みをしていただきたい。その中身を見て、選定したいと考えている」と文部省中学校課の亀田意統・情報教育室長。12月半ばには、地域の選定を終えたい考えで、12月初めに、県を通し市町村に照会がありそうだ。
 なお、1地域30〜40校程度というのは、予算上の目安。村や町、県や政令指定都市も対象になる。各地域の特色ある研究が期待されている。
(11月7日号の続報)

(教育家庭新聞98年12月5日号)