新世代の学習スペースも整備
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文部科学省の平成13年度予算の概算要求がまとめられた。一般会計は、対前年度比1・1%増の6兆5861億1200万円で、一般会計に「日本新生特別枠」の要望額1606億円を加えた総額は対前年度比3・6%増の6兆7467億200万円となった。概算要求では、20人授業の実現などを意図した第7次教職員定数改善計画や20地域約200校を指定して行う高速回線の次世代ITを活用した未来型教育研究開発事業、47地域で蔵書などをデータベース化し学校図書館をネットワークでつなぐ学校図書館資源共有型モデル地域事業、IT授業や20人学級などのために第3のスペースとして「新世代型学習空間」を整備する施設整備事業、また、博物館が所有するコンテンツをデジタル化する国立科学博物館バーチャルミュージアム推進事業、社会人を対象にした専修学校ITスペシャリスト養成推進事業、私立大学に最先端のIT基盤を整備する事業、大学などを接続する超高速ネットワーク「スーパーサイネット」の構築など、数多くのIT関連の事業が要求されている。
平成13年度からスタートする第7次義務教育諸学校教職員定数改善計画は、17年度までの5年計画で2万6900人の改善を図り、13年度は初年度分として5380人の改善を図る。このうち、国語や算数、理科(中学校は英語、数学、理科)の基本3教科で20人授業を実現するため4500人を改善。また、きめ細かな学習指導及び情報機器やソフトの管理など教育の情報化支援のため必要とする学校へ加配するため、はじめて事務職員の定数改善を行う。
また、「次世代ITを活用した未来型教育研究開発事業」(30億円、日本新生特別枠要望)を新規に。次世代IT(高速広域回線網、携帯端末などの最先端の情報技術)を活用して最先端の情報通信環境網を構築。20地域約200校を指定して、IT活用による分かりやすい授業の実現や「自ら学ぶ力」の育成など、新たな教育方法を研究開発する。
千葉県市川市で既に行われているが、「学校図書館資源共有型モデル地域事業」(8億6700万円)を新規に実施する。47地域(1地域36校及び教育センター・公共図書館等)を指定し、地域内の蔵書のデータベース化、インターネットによる蔵書の相互検索、運搬車によるリクエスト本の運搬などを行う。
「循環型社会に向けた学校教育モデルプログラムの策定」(1170万円)も新規に。中央センターでホームページの作成やモデル校への指導・助言を行い、モデル校18校でもホームページの作成や実践研究をする。
公立学校施設の整備促進として、IT授業や小人数授業を行うための「新世代型学習空間の整備」(151億2500万円)をはじめ日本新生特別枠として188億円を要望。新世代型学習空間の整備は、学校の新増築、改築・大規模改造にあわせて、プロジェクタや大型ディスプレイ、校内LANなどを備えた、移動間仕切り型などの普通教室、特別教室に続く第3の学習スペースを整備する。
また、国立教育政策研究所における教育情報ナショナルセンター機能の整備、専修学校ITスペシャリスト養成推進事業(5億円、日本新生特別枠)、国立科学博物館バーチャルミュージアム推進事業(3億9800万円、日本新生特別枠)、私立大学等最先端IT基盤総合整備事業(12億1千万円)、衛星通信で大学の公開講座を全国に提供するシステム構築についての調査研究(新規、2200万円)、文部科学省における申請・届出等手続の電子化の推進や省内ネットワークシステムのセキュリティの強化、などを行っていく。(11面に続く)
(教育家庭新聞2000年10月7日号)
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