IT施策を総合推進
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政府は高度情報通信社会推進本部を改組しIT戦略本部を7月に設置し、国家的な産業・社会構造の変革に取り組もうとしているが、文部省も政府の検討事項を踏まえ教育分野のIT施策を推進するため、省内にIT戦略本部を設置した。IT推進戦略の策定やIT施策の取りまとめを行っていく。
文部省は、文教分野のIT関連施策を戦略的かつ重点的に検討し総合的に推進するため、小野元之事務次官を本部長とするIT戦略本部を7月26日に設置。7月31日に第1回会議を開いた。
現在は文部省予算の概算要求で各課が忙殺されているが、今後「文教分野におけるIT推進戦略」(仮称)の策定、政府の「IT戦略会議」などへの対応、IT関連の施策のとりまとめ、情報化の影の部分への対応を行っていく。
IT戦略本部の本部員は、官房長、総務審議官、文教施設部長、生涯学習局長、初等中等教育局長、教育助成局長、高等教育局長、学術国際局長、体育局長などの各局の局長、私学部長、文化庁次長で構成。その下に大臣官房総務審議官を委員長に総務課長、会計課長、政策課長、学習情報課長を副委員長に、財務課長、中学校課長など各課の課長及び政策課情報処理室長などを委員とする企画委員会を設置。企画委員会で実質的な検討を行い内容を詰めていく。全省的な組織を作り、体系的に進めていく。
これに先立ち、政府は7月7日、内閣総理大臣を本部長とするIT戦略本部を設置。全閣僚を本部員に、その下に有識者からなるIT戦略会議(議長=出井伸之・ソニー会長)を置き、「世界規模で生じている情報通信技術(IT)による産業・社会構造の変革に我が国として取り組み、(中略)国際的に競争力のある・IT立国・の形成を目指した施策を総合的に推進する」ための体制を作った。この会議は「短期集中でやるべきことはどんどん実施していく。報告書を出すための組織ではなく、政府が確実に実施していくための組織」(内閣官房IT担当室)という。
7月18日に第1回戦略会議・戦略本部合同会議を開催。1日本独自のIT国家戦略の構築2電子商取引を促進するためのルール作り3電子政府の実現4教育の情報化5情報通信インフラ、ハード/ソフトの整備・促進、など6項目からなる検討課題(案)について話しあった。教育の情報化には、「インターネット接続、コンピュータ整備、教育用コンテンツ開発など学校教育の情報化」などの課題も盛り込まれている。この検討課題案について、学校段階だけでなく、生涯学習、一般人のリテラシーを上げることも必要、などの意見も出たという。8月末に予定されている第2回会議で、第1回会議の意見を踏まえて検討課題を決定する。会議は今後、12月まで当面、月1回のペースで開催される予定だ。
(教育家庭新聞2000年9月2日号)
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