大学におけるマルチメディアの活用

ビデオやオーディオが中心

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 大学におけるマルチメディアの利用は、ビデオやオーディオ教材の利用が中心で、電子メールの利用は半数程度−−メディア教育開発センターは、今年1月現在の「高等教育機関におけるマルチメディア利用実態調査」をまとめた。調査は、大学本部620、大学学部・研究科1606、短大582、高専62に配布。それぞれ72・4%、65・9%、69・8%、93・6%の回収を得た。

 マルチメディア全般の利用状況で、「よく行われている」「ある程度行われている」ものを合わせると、「録画ビデオの授業への利用」、「図書資料のデータベース化」、「オーディオ・カセット教材の利用」がベスト3。「電子メールによる課題の提出」や「電子掲示板や電子メールによる授業への質問や学生間の討議」は半数程度の機関である程度以上行われている状況で、その割合は、公立、私立より国立に多い。
 衛星通信、地上系通信(ISDNなど)、インターネットを利用したオンライン上の教育のIT(情報技術)を「利用している」割合は、大学学部・研究科では、地上系通信(30・1%)、インターネット(17・1%)、衛星通信(16・2%)と地上系通信の利用度が最も高い。利用場面は、学部の共通教養教育や専門教育が主である。
 マルチメディアを利用するための支援センターや全学委員会は、大学では半数以上の機関で既に設置され、短大では3割から5割の機関で整備されている。

 マルチメディアを利用する目的は、「教育の効果をあげるため」が最も多く、「学生の動機づけを高めるため」がこれに続く。反対に利用するために障害となっているものは、「機器設備の導入費用がかかる」、「支援スタッフが不足している」、「特定の者に負担がかかる」が上位ベスト3で、機器の導入・メンテナンスの費用や利用するための人的・技術的な問題が大半を占めている。

(教育家庭新聞2000年8月5日号)