小学校英会話をサポート

外国人ボランティア派遣 1回4時間年間12回

【TOPページに戻る】


 大宮市は、今年度「大宮の子ども 誰でも英語を話せる 外国人100人プラン」(266万円)を策定。「21世紀の国際社会という舞台で活躍できるように、小学生から英会話などに慣れ親しむ機会を作る」ことを目的に、小学校の「総合的な学習の時間」で英会話を実施するため、外国人ボランティアを派遣する。

 大宮市では、小中学校60校すべてで総合的な学習の時間に取り組まれるが、小学校での取組みをサポートする試みの1つとして、小学校に外国人ボランティアを派遣するもの。ボランティアは英語を母国語とする人あるいは公用語とする人20人を募集。学校の希望により派遣の回数は異なるが、1校当たり平均1回4時間、年間12回が割り当てられ、外国人ボランティアと教員がティームティーチングで、英語に慣れ親しむゲームや歌、外国の伝統や文化に触れる体験などが行われる。
 「外国人と臆せずに接し、英会話などに慣れ親しむことができるようにする」「外国の生活や文化などに接することにより、日本の伝統・文化に誇りをもてるようにする」ことが期待されている。
 ボランティアの人数は20人で、2校に1人程度の配置になる(小学校は36校)。今後年次計画で登録を進め、新学習指導要領が完全実施される平成14年度には、1校3人程度、計100人のボランティアを派遣したい考えだ。

 ◇ 
 大宮市では、全小中学校で総合的な学習の時間が実施される。教育課程編成の届け出が4月末のため具体的な内容は分からないが、前年度の指導計画から見ると、「地域に密着した形で、特色ある学校の取組みを深化していくことになる」と予想される。
 具体的には、ホタルの飼育に熱心な学校はその飼育を通して自然を考える、ボランティアが盛んな学校はその活動をさらに広げていく、AETの派遣を受け小学校で英会話など国際理解教育について研究していた学校はさらにその研究を深めていくなどが予想される。
 こうした活動の情報収集や情報のまとめの部分で情報機器が活用されることだろう。大宮市では、高速回線と動画像の活用について研究する文部省と郵政省のマルチメディア学校間連携活用推進事業で、今年度11校がモデル校に指定されている。
 「基本的には、地域に密着して地域を知り、地域の中から発展させていく活動を組んでいく学校が多い。

 総合的な学習の時間は、各学校が独自に取り組む時間。小中60校、60種類の時間割が出てくることが望まれる。教育委員会としては、学校の主体的な取組みを大切にして、それをサポートするプランを作っていく」
 総合的な学習の時間は地域の人材や専門家を活用する場面も多くなるが、市では外部講師を活用するための予算措置も講じている。
(教育家庭新聞2000年5月6日号)