教育家庭新聞ニュース

率直に意見交換

テレビ会議システムで全国61会場をむすぶ

 

こねっと・プラン成果発表会が開催

テレビ会議システムで東京・大手町をはじめ全国61会場をむすんで、こねっと・プランの成果発表会が3月7日行われた。各会場の教員同士、フランクに意見を交換し合っていたのが印象的だった。

 まず、こねっと・プラン推進協議会の池田茂会長が「2年前にスタートしたとき、このように多くの人が参加するプロジェクトになるとは予想もつかなかった。生徒のみなさんに積極的に参加していただき、みんなで作り上げてきた。今後も協議会として、できるだけの貢献をしていきたい」と挨拶。

 続いて、文部省中学校課の川村潤子課長が「こねっと・プランは1000校を超えるオンラインのネットワークで、ユニークな情報の収集・分析などが行われている。文部省も自治省の協力を得て、2001年までに全ての中学・高校・特殊教育諸学校、2003年までに全ての小学校を接続する施策をすすめる」と行政としての展開について。

こねっと・セミナーに出演した経験を持つ漫画家で教育課程審議会委員の里中満智子氏は、セミナーに出演した時間を「非常に充実した時間」としながら、マルチメデイアの意味や自身も絵を生徒に教えている経験を踏まえて、「マルチメデイアは、人間が使うようになった情報手段を総合したもの。個人的な夢だが、年齢により学年が分けられるのでなく、8歳の子と40歳の人がそれぞれの条件によって授業を受けられればすばらしい」「先生は、自分で自分を苦しめるような(成果を意図した)課題は横に置き、何か一つでも子どもを楽しめるようなものを与えられればよいと思う」とエールを送った。

 続いて全体的な活動報告。徳島県島田市立徳田小学校は、インターネットへの接続を1台から出発し、ルーターを介しLANにつながれた各端末から接続できるようになるまで。また高学年での環境をテーマにした総合的な学習の実践やテレビ会議システムの効果について報告。課題として、1メンテナンスを出来る先生が少ない、2コンピュータを出来る先生に負担がかかる、3コンピュータの進歩についていけない、4、新しいドライバ、ソフトのバージョンアップにかかる労力、などを指摘した。

 会場からは有害情報へのアクセス防止やその他の利用上の留意点について、学校組織の構成法などについて質問が相次いだ。

 福岡県瀬高中学校(ホームページの採用情報を使って働く人の姿を調べさせた進路学習)、北海道大成高校(接続の環境や学校間交流)、「こねっとWebページコンテスト」で最優秀賞に輝いた高知県立安芸高校も発表した。

 午後は、永野和男・静岡大学情報学部教授の講演、その後校種別の分科会と地域別分科会が行われた。

 永野教授は、「2002年または2003年になると、インターネットが全校に接続されるとともに新しいカリキュラムが動きだす。それぞれの地域にあった、あるいは地域を超えたカリキュラムを作り出していってもらいたい。子どもたちができるだけ興味を持つ、失敗しながら失敗に気づくような指導案を」と強調。

 続いて行われた校種別分科会のうち中学校分科会では、「遠隔共同学習(酸性雨の共同観測)」(京都市立宕陰中学校)、「フェニックスによるDTM音楽交流について」(香川県牟礼中学校)の発表の後研究協議。各会場からは教育用サーチエンジンやセキュリテイ管理の仕方、コンピュータウィルスへの対処方法などについて質問が出、活発な情報交換が行われた。

その後の地域別分科会・東京会場では、小・中・高校計3校の発表の後、情報交換。ダイアルアップのある環境で複数台を同時接続するとハングアップすることへの対処方法について、1キャッシュに貯めておく、リンク集を用意してそこから外に出るようにするといくらかダウンが抑えられる、など意見交換が行われた。

(教育家庭新聞98年4月4日号から)