パソコン先生増やせ

新たに3つの研修事業

 

文部省平成11年度概算要求

文部省の平成11年度予算概算要求が9月、まとめられた。一般会計は5兆8862億3500万円で今年度当初予算費1・6%増。国立学校特別会計も2兆7341億5100万円で1・2%増の要求。この他、21世紀基盤整備特別枠として282億円、また、第2次補正予算として4892億4400万円が予定され、同補正予算の具体的内容は、10月末までにまとめられる。


 情報化への対応では、新規に@「教育情報化推進指導者養成研修」(5800万円)A「高等学校新教科(情報・福祉)指導者研究協議会」(1800万円)B「新産業技術等指導者養成講習」(5900万円)、の3つの研修事業を要求。@は、コンピュータを活用した授業などが実施できる教員を飛躍的に増加させるため、教育委員会などでの研修の核となる人材を養成する。指導主事や小、中、高、特殊学校の教員1000人を対象に10日間、25会場(県教育センターなど)で、衛星通信も活用する。
 Aは、2003年から、高校に新設される普通教科「情報」、専門教科「情報」「福祉」に対応。同教科を担う現職教員に新たに免許を取得させるための講習会を実施する。11年度はその講習会の講師予定者を対象に、研究協議会を実施。(情報の場合=5地区、5日間、計900人)。12年度以降、現職教員講習会を行っていく(各年3000人対象)。
 Bは、産業技術の進展に対応し、新産業技術などの各分野について講習会を実施し、都道府県における指導者を養成する。(1)新産業技術コース=8教科(高校の専門6教科及び中学技術、家庭)。各コース10日間、800人。(2)情報技術コース=工業、商業。ネットワーク等のコース各40日間、計200人。
 また、「インターネット関連技術の教育利用の総合的実証研究」(2300万円)を新規に設置。郵政省と連携し、学校におけるネットワークの活用について実証的な研究開発を行っていく。文部省はインターネットや校内LANなどを活用した共同学習システムとその効果的な指導について研究を担当、郵政省はネットワークシステムの遠隔管理技術、高速無線LAN技術など通信技術面の開発を担当する。郵政省の特殊法人「通信・放送機構」に研究を委嘱する。
 また、光ファイバーで学校をインターネットに接続する「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」(6億5750万円)。補正予算で決まった118校で、平成12年度までの3年間、モデル研究を推進する。
 さらに、衛星通信を利用して情報教育やカウンセリング研修の充実のため、「教育情報通信ネットワークの整備等」事業(14億9480万円)を新規に設置。これは、従来の「情報ネットワーク拠点の整備事業」を統合したもので、衛星の送受信設備や地上系の情報通信ネットワークを20か所(教育センターなど)に整備する。第1次補正予算では約30か所分の整備予算が計上されていた。
 私立高校などに対して、インターネットなどの活用やマルチメディアを組み合わせた視聴覚機器、語学学習機器などを活用できる教育環境を整備する「私立高等学校等マルチメディア教育環境整備モデル事業」(5億円)を補正に引き続き要求。私立小、中、高、特殊学校、中等教育学校が対象。40校。単価2500万円。
 また、国立教育会館のホストコンピュータを利用し、学校などから各種研究指定校などの研究事例などに直接アクセスできるシステムを構築する「教育研究活動に関する情報の提供」(1000万円)を新規に。
 さらに従来からの継続事業として、平成7年度から実施の「へき地学校高度情報通信設備(マルチメディア)活用方法研究開発事業」(7億537万円)は広域に普及しているデジタル通信網を利用し離島や山間地の学校などを新たに15か所結ぶ(計38か所)。同じく平成7年度からの「学校図書館情報化・活性化推進モデル地域」(12億3700万円)は、10年度第1次補正予算からの拡充継続で106地域を指定。学校図書館にコンピュータや情報ソフトを整備、インターネットにも接続する。

表はこちら

(教育家庭新聞98年10月3日号)