教員のICT指導能力
教員研修Web総合システムTRAIN
集合研修・自己研修で活用を
文部科学省の委託を受け、独立行政法人メディア教育開発センター(以下、NIME)は、教員のICT活用指導力の向上を図るために「教員のICT活用指導力とICT操作スキルの向上プロジェクトの推進と評価」事業を実施してきた。その成果発表として「教員のICT活用指導力向上フォーラム」が1月31日、東京都内で開催され、教員養成研修や校内研修、集合研修、個人研修に利用できるICT活用指導力向上研修システム「TRAIN」(Teachers Resources for Applying ICT at NIME)が発表された。清水康敬氏にその狙いを聞く。
NIMEが2年間で実施した調査研究により、ICTを活用した授業を行うと児童生徒の学力が確実に向上することが実証的に示されました。そこで今年度は新たに「教員のICT活用指導力とICT操作スキルの向上プロジェクトの推進と評価」事業の委託を受け、ICT活用指導力向上研修システム「TRAIN」を開発、1月30日にバージョン1をアップしました。
「TRAIN」http://train.nime.ac.jp/ |
具体的に学習できるビデオが116本 |
「TRAIN」は、教員のICT活用能力を具体的に身につけるための教員研修用Web総合システムです。解説書付き実践事例とICT活用の基本的な考え方、指導事例と、具体的な指導力を習得できるビデオ・モジュールが116本アップされています。ビデオ教材は3分から5分の長さに編集、忙しい教員も短時間で確実に学習できるよう使い勝手に配慮しました。
各ビデオは、「著作権クイズの作成」「ケータイメールによるコミュニケーションの行き違い」「中学校・国語 コンテンツ活用のツボ」「プロジェクターの活用」など、文部科学省が策定した「教員のICT活用指導力の基準」に対応しており、学校現場教員や研究者が具体事例を中心に紹介しています。
トップページは、小中高などの学校種や各教科、情報モラル、校務、教材研究や評価など、高めたい能力をチェック、より迅速に必要なビデオ、指導場面、実践事例などの教材に辿りつけるよう配慮されています。実践事例は「SPA―ICT活用による学力向上の証し」に、「指導場面」は、教員のICT活用指導力の自己評価総合研修システム「ADAPT」(Ability Development for Advanced Professiona l Teachers)にリンクするなど、ICT活用能力育成のためのポータルサイトともなっています。
「ADAPT」は、教員がICTを活用した指導を行うために、教員自身が自分の不足しているスキルを自己チェックした上でその不足分を学習することができ、ICTを活用した指導が最短距離で実現できるように構成された学習システムです。「TRAIN」は、それをより具体的・実践的に学習・研修できるビデオ・モジュールになります。
ビデオの内容が一目で分かるハンドブック(全64ページ)も作成、各ビデオのタイトルや内容、画面の一部などを説明しており、研修などで活用しやすいようにしました。1月より「TRAIN」を用いた教員研修を実施、検証を重ね、さらにバージョンアップの予定です。各教育委員会や各校での研修、自己研修にぜひ役立てて頂きたいと考えています。
▼「教員のICT活用指導力の基準」
▼「ADAPT」
(西田 理乃)
【2008年3月8日号】