東京都杉並区立和田小学校(横山正学校長)では、2月9日、「コンピュータが学びを変える!スクイークによるプログラミングと情報機器の活用」をテーマにした研究成果が全校全クラスで公開された。同校は平成18年度杉並区教育課題研究指定校・科学技術振興機構SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)対象校。当日全クラスにて使用されたコンピュータの総数は約250台。4年1組(佐藤正文教諭)では「保健体育」の授業「育ちゆく体とわたし」単元の中でデジタルコンテンツを活用しながら「食事のバランス」について学んだ。
「今日は1日のバランスのよい食事について考えてみよう」と佐藤先生。前時に学んだ「食事バランス」の重要性について振り返った後、Webサイト「みんなの食たく〜食事バランスガイド版〜」にアクセス、実際に「食事バランスチェック」を行っていく。
本単元は2時間扱い。1時間目で「発育・発達」と食事・睡眠・運動の関係を知り、2時間目でバランスのよい食事を理解、自分の食べ方について振り返ることが目的だ。
「みんなの食たく〜食事バランスガイド版〜」は、朝・昼・夕の食事をテーブルに並べて食事バランスをチェックできるインターネット上のフラッシュ利用コンテンツ。「平成18年度農林水産省民間における食育活動促進支援事業」として東京書籍のマルチメディア教材「みんなの食たく」をベースに、食事バランスガイド※に則ったバランスチェックができるWebサイトだ(制作 凸版印刷株式会社)。
佐藤先生の説明後、児童らは「みんなの食たく〜食事バランスガイド版〜」で各自食事バランスをチェックする。
性別、年齢、活動量を選択すると、一日の摂取カロリーの目安や摂取の目安が表示される。その後「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つの料理区分ごとに約120品目の料理から「昨日食べたもの」を選択していく。
食事をテーブルに並べる感覚で、操作しやすく楽しい。「食事バランスをチェック」すれば、おおよその目安の摂取カロリーやバランスの良し悪しが即わかるという仕組みだ。バランスが良ければ「グッドバランス!」、悪ければ「バランスよくないよ」と結果が表示されるので、ゲーム感覚で楽しめる。食事バランスが悪い場合、どのような食事を補えば良いのかも分かるようになっている。
子どもたちが各自のPCで自分たちの食事バランスをチェックすると、「グッドバランス」になった児童は5人ほど。児童らからは「グッドバランスにはならなかったけど、今度から食事をどう気をつけなければいけないのかがわかった」「バランスの悪い食事が多いと反省した」と感想が上がった。
このほかコンテンツには、「食事バランスガイド」の説明、季節ごとのバランスのよい食事例、子どもも作れるレシピ例などがあり、総合的に「食」を学べる内容となっている。
授業者の佐藤先生は、「子どもたちの食生活が、朝食の欠食や孤食(個食、固食)、肥満・痩身傾向にあるといわれている。今回ソフトを活用することで、児童が『食』への関心を持ち、バランスのよい食事の摂り方について考えられるようにしたかった」と話す。
ICTを利用して「昨日の食事はバランスが良かったかどうか」を機械的にチェックすることで、客観的に自分の食事バランスを振り返り、今後「どのようなものを積極的に摂取することが必要なのか」を考えるきっかけとなる活動となった。
※平成17年6月に厚生労働省と農林水産省が連携し発表。食生活指針を具体的な行動に結びつけるものとして食事の基本を分かりやすく図で示したもの。「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つの料理区分ごとに、1日に摂取する料理の組み合わせとおおよその量を表している)
▼食事バランスガイド
http://www.j-balanceguide.com/
▼「みんなの食たく〜食事ガイドバランス版」
http://package.toppan.co.jp/shokuiku/
▼みんなの食たくVer2体験版
http://www.tokyo-shoseki.co.jp/multi/kyozai/56958.htm