新規にデジタル網を25ヵ所

 

文部省がへき地学校に。人気の事業

 文部省の平成十年度予算概算要求が発表された。一般会計は、5兆8706億円で、今年度予算に比べて0・9%の微増となった。このうち、情報教育関連では、平成7年度から実施している「へき地学校高度情報通信設備活用方法研究開発事業」が今年度49・6%増の7億8802万円を要求。また、大学の衛星通信を利用した大学間ネットワーク構築事業は465%の8億4609万円、生涯学習関連では、新規に「オンディマンド学習システム研究開発」を4500万円の予算で要求。小〜高校のインターネット利用の整備として今年から実施されている「情報通信ネットワークの拠点の整備」事業は、今年度比12%減の13億2900万円、一方、教科におけるネットワーク活用のあり方などを研究する「インターネット利用実践研究地域指定」は、35・4%増の1億3000万円の要求となった。

 へき地学校高度情報通信設備開発事業は、離島や山間地の学校を光ファイバーや通信衛星を利用し都市部の学校と接続。これまで、へき地学校と都市部の学校、普通科高校を専門高校、病院内学級と院内学級を設置している学校などを結び、効果を上げてきた。平成10年度は、普及しているデジタル通信網を利用し、へき地学校等とへき地学校・都市部の学校等を新規に25か所接続(一か所の接続数は2校または3校)する。これにより天文台や海外日本人学校と接続した授業も可能となる。委嘱期間は3年間。この事業の委嘱か所は年々増加している。

 大学の衛星通信を利用した、いわゆるスペース・コラボレーション・システム事業は前述の通り大幅の増額。大学関係ではこの他、豊橋、長岡の両技術科学大学を中心としたマルチメディア利用のパイロット事業の継続、情報メディア教育センター(名古屋大学)の新設、など情報化予算が拡充している。

教育センターなどを核に学校のネットワーク利用環境などを整備する情報通信ネットワーク拠点の整備事業は、今年度の各県からの応募が少なかったことを受け、整備か所数を25から22か所に減少。一方、授業での利用など、ネットワーク利用のあり方や課題について、協力者会議も設けて研究するインターネット利用実践研究地域指定」は、今年度の25地域から34地域に増加している。