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2007年・学校教育とICT
教師のIT活用能力
〜文科省「評価基準」を策定 教員採用試験の改善も
 

 模擬授業の実施や、資格所有者に対して一部試験を免除するなど、教員採用試験の改善が各都道府県で進められている。

 英会話実技は中学校で61県市、高校で51県市で行い、パソコン実技は30県市で課されている。パソコン実技を行っている30県市のうち、5県市で全受験者を対象にワープロや表計算の基本操作力を測り、1県が小学校受験者のみを対象に、25県市で特定教科(中学校技術、高等学校商業・工業等)の受験者を対象に試験を行っている。

 フィンランドでは、教師のICT活用能力は『優先順位の高い』スキルのひとつとして位置づけられており、eラーニングでスキルを育成できるシステムが構築されている。

 教師のICT活用能力には大きく分けて二つある。ひとつが「授業での活用能力」もうひとつが「校務での活用能力」だ。校務での活用はここ数年で進捗がめざましい。

 文科省による「教員1人1台ノートPC配布計画」の実現が進めばより一層進むと予想される。次なる課題が「授業での活用能力」だ。この能力の強化・定着のため、文部科学省は教員の「情報活用能力」を評価、それを処遇に反映させることを目標に「評価基準」を策定中だ。

 この評価基準は「小中学校教員」が持つべきICTスキルであり、各授業でICTを効果的に活用するにはどのようなスキルが必要か、という観点で基準が設定されている。

 学校現場を取材すると、デジタルコンテンツを要所要所にうまく取り入れている授業が多く見られるようになってきた。年齢に関係なく、授業が上手な教員はICTを上手く授業に取り入れており、児童生徒らの学力向上に効果を上げている。

 現在、その「向上」を数値的に証明すべく各研究会レベルでの検証が進められている。2007年度は、学力向上を目的としたICT活用がより一層進むよう、各自治体や学校において、コンテンツ整備や機器整備などの環境整備の必要性がよりクローズアップされていくと考えたい。


【2007年1月1日号】


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