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教員採用試験
教員採用試験の工夫改善進む
45県市で「模擬授業」を面接官等相手に

パソコン実技も30県市で実施

 模擬授業の実施や、資格を所有者に対して一部試験を免除するなど、教員採用試験の改善が各都道府県で一層進められていることが文部科学省の調査でわかった(平成18年度選考試験、全61都道府県・指定都市対象)。

 多面的な目で受験者の人物を評価するため、面接担当者に民間人等を起用しているのは56県市(前年度同、以下カッコ内は前年度の数)。事前に提出した学習指導案に基づき、導入部を中心とした10分程度といった模擬授業を45県市(44)、面接担当者を児童生徒にみたてて指導といった場面指導を30県市(28)で実施。

 また、実践的指導力を見極めるため、英会話実技を中学校で61県市(60県市)、高校で51県市(54)で行い、パソコン実技を30県市(25)で課している。パソコン実技を行っている30県市のうち、5県市で全受験者を対象にワープロや表計算の基本操作力を測り、1県が小学校受験者のみを対象に、25県市で特定教科(中学校技術、高等学校商業・工業等)の受験者を対象に試験を行っている(下表参照)。

 豊かな経験や教員としての意欲を評価するため、58県市(57)がボランティア活動やクラブ活動の実績を志願書等に記載。実用英語技能検定1級合格者やTOFEL590点以上取得者などの英語資格による一部試験の免除を28県市(26県市)、第1種情報処理技術者試験合格者やソフトウェア開発技術者試験合格者などの情報処理資格による一部試験の免除を10県市(9)が取り入れている。

 なお、採用試験において受験年齢制限を7県市(6)が「上限なし」に、30県市(33)が他校種や他県からの移動を受け入れるため教職経験者等に対する受験年齢制限を緩和している。

 特に秀でた技能や実績を持つ教員を採用するため、37県市(同)が英語資格やスポーツ・芸術などによる特別選考を実施している。

 

教員採用試験におけるパソコンの実技試験の実施状況 30県市
(前年度25県市)

試験対象者
県市教
県市名
全受験者を対象
5県市
長崎県、大分県、鹿児島県、沖縄県、北九州市
小学校の受験者のみ
1県市
秋田県
特定教科(中学校技術、高等学校商業・工業等)の受験者を対象
24県市
山形県、福島県、栃木県、茨城県、群馬県、埼玉県、神奈川県、岐阜県、静岡県、三重県、兵庫県、鳥取県、石川県、島根県、広島県、高知県、愛媛県、徳島県、宮崎県、さいたま市、横浜市、名古屋市、広島市、福岡市

 

〈全受験者対象の試験例〉
  • 文書作成(日本語入力)、表計算、編集、印刷等一連の基本操作を行う。
  • Windows XP及びアプリケーションソフト等の操作を行う。
    〈特定教科の受験者対象の試験例〉
  • 課題であるWebページを作成するために、簡単なプログラムの作成(HTML言語)を行う。
  • ワープロソフト、インターネット、表計算ソフト等を使い、授業で使用する資料を作成する。
  • PowerPointで図の挿入やオートシェイプを用いたスライドを作成する。
  • ワープロや表計算ソフトで保護者あての文書を作成する。



【2006年10月7日号】


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