”問題意識”育むきっかけを提供
岐阜県羽島市での研修 |
「問題解決学習コース」が実施されたのは、関東地区神奈川県、中京地区羽島市・恵那市、関西地区河内長野市。「問題解決学習」のために必要なのは、自ら課題を設定する力である、ともいえる。その課題作りに役立つツールや、問題解決をしていく経路を効果的にまとめるソフトウェアの紹介、その実体験などが主な研修内容となった。
無料地図ソフト活用でマップ作成
作品の仕上がりを互いに確認 |
千葉県野田市や河内長野市などでは、無料地図ソフトを用いたマップ作りを体験した。講師は佐藤宏明氏(ESRIジャパン梶j。
まず最初にGISとは何か、どのように活用されているのかを学んだ。GISとはGeographic(地理)Information(情報)Systemの略。各地区県警のホームページには、様々なマップがアップされている。例えば千葉県警の「不審者情報マップ」には通学路も表示してあり、13歳未満の子どもや13歳以上の女性の被害状況が一目で分かる。航空写真に切り替えることも出来るので、よりリアルなイメージが沸く。
また、大阪教育大学附属平野中学校では、選択教科の時間に2、3年生共同でGISを活用した野外学習調査を行なっている。「子ども110番の家」「病院の種類と場所」「気軽に入れるトイレの場所」など生徒が各々テーマを設定、それに基づいたマップを作成した実践例だ。
研修では、実際に先生方に無料地図ソフトArcReader(http://www.esrij.com/products/esri.shtml)を用いて各自テーマを設定、それに基づいたマップ作りを行なった。調査結果を視覚的に集積・まとめることの出来るツールとして、問題解決学習に役立つとの感想があった。
ESRIジャパンでは、教育機関向け特別企画として小中学校、高等学校、最大20校を対象にArcGISファミリーを無償提供している。応募〆切りは9月30日。GIS教育パック一式が1校あたり最大50名利用可能で、講習会やサポートも請けられる。無償提供期間は2年間(2007年4月1日〜09年3月31日)。
問合せ 電話03・3222・3941(ESRIジャパン株式会社)詳細
http://www.esrij.com/solution/education/educat_donation.shtml
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シミュレーション教材で「問題意識」を育む
相模原市の教育センターにて |
問題解決学習には「課題」を自ら見つける必要がある。その「課題」設定は、どの学習分野でも必要になる。
例えば、昨今その導入が重要視されている「キャリア教育」や「職業観教育」では、手法のひとつとして「職場体験」活動が中学校でも必修となっている。しかし、目的意識がない状態で「現場」に生徒らを送りこむことには危険がつきまとう。その部分を、ITを活用し、シミュレーションソフトを用いつつ「働く」ことの目的意識や興味を持たせるための教材・授業作りを提案しているのが泣Aントルビーンズだ。
「問題意識を持たせる」ための手法のひとつとしてシミュレーションソフトを活用することでどのような心理の変化が起こるのか、実際に教員らが体験した。
今回用いたのはシミュレーションソフト「「やってみ店長」。どこにどの程度投資し土地を確保し、どの商材をどれくらい仕入れるのか、どの棚にどの商材を置くのか、広告費は、曜日によって何を変えていかなければならないのか――など様々な要素を考え、コンビニエンスストアを経営していくというものだ。疑似体験することで、流通や賃金、ひいては職業についてリアルに興味を持つことが可能になる。「問題」を見出すきっかけ作りとしてシミュレーションソフトの活用の有効性を検証した。
「やってみ店長」は、小学生向け簡易版をシミュレーション!「コンビニ経営」としてWEB公開している。
(http://www.kigyokakyoiku.com/)