すべての学校をインターネットに

文部省の整備計画案(1998年から2003年度まで)

 

利用環境の整備も求め、教委に通知

 文部省は1月20日づけで、「公立学校におけるインターネットの利用について」、教育助成局財務課長名で都道府県・指定都市教育委員会にあてて通知した。

 2001年までにすべての中学、高校特殊教育諸学校を、2003年までにすべての小学校をインターネットに接続するという方針が文部省により談話などの形で示されていたが、通知が出されたのは、初めて。通知は、「平成10年度から計画的に各学校がインターネットに接続できるよう、地方交付税措置が講ぜられる予定である」とした上で、2003年までの接続、地方交付税措置の予定について管下の市区町村教育委員会への周知とインターネット利用環境の整備への努力と指導を求めた。

 地方交付税では、回線使用料(ISDN回線への変更による差額分)とプロバイダー契約料、インターネット通信料が措置される。ただ、今回の通知では具体的な措置額は、3月の地方交付税法の改正を待たなければならず、「後日、別途通知」としている。正式な通知は、4月にも出される予定だ。

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 なお、地方交付税措置額については、現在の整備計画案で、回線料、プロバイダー契約料、通信料について、1校当たり年間20万3000円と算出(表参照)。各学校のインターネット利用時間は、月当たり40時間で計算。これは、こねっと・プラン参加校などの平均をもとにしたという。

 いずれにしろ、この数字がほぼこのまま具体化されると思われる。毎年の措置額は、表の通り。インターネット接続校の増加とともに増額され、2003年度以降は毎年、81億円ずつ措置される予定だ。

ただ、地方交付税は補助金と違って、地方自治体の使途について強制力をもたない。この点、インターネットが学習の幅を広げ、教育を変える可能性があるものであることを、各自治体の担当者に理解してもらい積極的な整備を願いたいところだ。

文部省のインターネット整備計画案
              (単位:校)
  9年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度
小学校 1,800 1,000 1,000 1,000 4,400 7,700 7,700
中学校 1,300 2,300 2,300 2,300 2,300 - -
高等学校 800 800 800 800 800 - -
特殊教育諸学校 100 200 200 200 200 - -
合計 4,000 4,300 4,300 4,300 7,700 7,700 7,700
累計 4,000 8,300 12,600 16,900 24,600 32,300 40,000
所要額   17億円 26億円 34億円 50億円 66億円 81億円
*所要額については、回線使用料(ISDN回線への変更による差額分)、プロバイダー経費、インターネット通信料について、1校当たり203千円/年を積算
更新日 98/02/04

( 教育家庭新聞98年2月7日号から)

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