学びの場.comオープン
先生に有益な情報を 企業と先生が情報交流
学校を元気にする便利サイト「学びの場・com」(まなびのば どっと こむ)が11月28日(水)にオープンした。教育現場にもインターネットが整備され、教師もインターネットを使ってさまざまな情報収集を行い、授業に活用する時代がやってきた。教育に特化した情報を提供する「学びの場・com」の制作現場を訪れ、スタッフのみなさんにお話をうかがった。
(http://www.manabinoba.com/)
「学びの場・com」事務局は、株式会社内田洋行知的生産性研究所内に置かれている。教育関連企業として、先生に有益な情報を提供することができないか、と意見が出たのは数年前。ここから本格的なプロジェクトが1年前に立ち上がった。
「学びの場・com」の責任者であり知的生産性研究所所長の平山信彦氏は、「教育の情報化への変化の波が起きて、企業としてもその変化に対応していかなければならないという必然性があったことは事実です。内田洋行では、すでに日本最大級の学校向けソフトウェアのデータベース『E−ソフト』も立ち上げ、検索できるようなサービスも行っていますし、教育現場に近い企業として、多くの先生方から教育の情報化についてのご相談もいただいています。情報化という大きな波の中で、現場の先生方をサポートしたいという思いが、この『学びの場・com』につながっています」と語る。
プロジェクトでは、現場の先生にもアンケートをとり、教育現場に携わるいろいろな人たちからのアドバイスなども含め、どんな情報が求められているのかを分析。2002年4月から学習指導要領が変わることもあり、現場の先生が最も必要としている授業や校務に関する情報を提供することが主な目的になったという。
「総合的な学習の時間の取り組みやPCの導入で、学校では試行錯誤が繰り返されています。教育の変革期である今、先生方をバックアップできるサービスが必要だと感じました」(同社教育システム事業部佐藤徹也氏)
「製品情報を提供するメーカーとエンドユーザーである学校の先生方がサイト上で情報交流することで、先生方が教材や製品をより活用することができるのではないかと考えます。『学びの場・com』は、直接何かを売ろうとするサイトではありません。先生が幅広い情報を得ることで、教材を使いこなし、生き生きとした授業を行う。それが結果として、教育市場の活性化につながるのではないかと思います」(平山氏)
教育市場の活性化という言葉の背景には、メーカーが教材を作り、教師がそれを利用しても、使い勝手や学習効果などのフィードバックの機会が少ないという現状がある。教育の情報化が進むなか、製品や教材が現場に即して評価されれば、教育市場も成熟していくのでは、との期待もある。
「内田洋行の製品やサービスの販売とこの『学びの場・com』は切り離して考えて欲しいと思っています。あくまで独自の運営であり、直接的な販売促進を目的としているのではありません。先生や教育関係者が、必要とする情報を得ることができ、それを子どもたちの教育に役立てていただける。それがサイト設立の願いです」(平山氏)
(2001年12月1日号より)
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