普通教室向け提示用ソフト
  シームレスコープを開発・販売
日立公共システムサービス
社長 田中 重康氏

総合的学習
 −「総合的な学習の時間」における情報リテラシー教材として「FROMKIDS」の導入状況はいかがですか。「平成11年夏から販売を開始したが、現在、北は山形県から南は熊本県まで全国で300校近くの小学校に導入済または導入が予定されている。フロムキッズの認定インストラクタによる先生方への事前研修を通して、ティーチャーズガイドを活用した授業の進め方をご理解いただき、子ども達をパソコン教室に連れて行き楽しみながら実践的な情報教育を実施していただいている。子ども達が授業に集中できる教材だと現場の先生方には大変好評をいただいている」
 −今後の「FROMKIDS」関連の新しい製品計画などがあればお教えください。「当初はハイパーキューブをベースにスタートしたが、昨年暮れにリリースされた「ハイパーキューブねっと・Jr」への対応版についても今月からご利用いただけるように準備している。また一般企業や行政機関だけでなく学校現場にもマイクロソフト・オフィスの導入が進んできているので子ども向けのオフィス対応版を昨夏から販売開始した。現在、情報リテラシーの基礎編(1stステップ)の履修を終えた子ども達向けの応用編として2ndステップの開発を進めている。インターネットや地域社会等とのコミュニケーション能力向上など、「総合的な学習の時間」が目指す地域理解や情報活用能力を実践的に身につけるためのカリキュラム集テンプレートも提供する予定である。このテンプレートは、コミュニケーションツール(CT)を活用して「テーマを決める」、インターネットや図書館などを利用して「調べる」、現地に出向いてデジカメ・ビデオを使用して「取材する」、パソコンを活用して「まとめる」「発表する」といったプロセスを自由にやさしく組み合わせることを可能とする。 このテンプレートを活用することで、学校同士の交流学習が一層活発に行われることを期待している」

映像コンテンツを簡単に活用
 −文部省では教育の情報化を推進するため、マルチメディア教材のポータルサイトの充実や普通教室への大型プロジェクタの導入を推進しようとしていますが、御社ではこうした動向に対応した製品などの計画はありますか。「マルチメディア・ブラウザソフトとして「シームレスコープ」という製品を開発中である。パソコンや情報リテラシーに限らず、社会や理科といった各教科の授業に役立つ教材として、インターネットやDVDなどの映像コンテンツが簡単な操作で活用できれば授業の効果がより高まるのではないだろうか。製品開発にあたっては、普通教室における授業という現場では、先生がどんな教材を、どういった場面で、どのように活用したいのかを考えながら設計を進めることが大切だと考えている。そこで、人にやさしく、メディアをシームレスに取扱うことの出来るインターフェイスソフトを提供しようと考えた。授業の場面だけでなく、先生が授業の準備のための教材の収集や検索、編集・加工が簡単な操作で出来るよう工夫した」

IT講習に対応
 −文部省では自治省と連携してIT普及の国民運動を展開するために12年度補正予算にて「IT講習特例交付金」545億円(自治省予算。文部省予算はこれとは別に189億円)を計上して、550万人のリテラシー教育を支援することになりました。御社の対応があればお聞かせください。「マルチメディアを活用した教材としてFROMKIDS−ITの提供を行うと共に講師の養成の面でご協力できるのではないかと考えている。12時間の講習で、インターネットの利用や電子メールの送受信ができるようになることが目標となっているが、約1年間という短期間での実施ということで、多数の臨時講師の確保と効果的なカリキュラムが求められていると思う。当社は、サービス専門の会社として「信頼・誠実・創造」を社是に掲げてお客様満足度向上の為に、最新の情報技術を活用した質の高いサービスの提供を目指している。IT講習プロジェクトにおいても、講師の皆さんが真に受講者の方々の立場に立ちながら所期の目標が達成できるように工夫したマルチメディア教材のご提供のほかに、認定インストラクタ養成のための研修サービスやIT講習の受託事業などを通して社会に貢献していきたいと考えている」

(2001年1月1日号より)