ケナフの成長観察など
各教科でインターネット活用
埼玉県深谷市立常盤小学校
子どもたちが慣れた手つきで、ホームページ作成用ソフトを使って、ホームページに画像を張り付けている−−埼玉県深谷市立常盤小学校で10月29日、「児童が主体的に取り組む授業の創造〜インターネットが開く新たな可能性を求めて」をテーマに公開研究発表が行われた。
深谷市の平成8年度中を目途にした全小中学校インターネット接続計画の中で、同校は同年10月にインターネットに一台が接続され、3学期にはホームページを開設した。
同校のコンピュータは、MS―DOS対応が14台、Windows95対応が7台ある。平成5年度にコンピュータ教室が設置されて以来、統合型ソフトなどを使って、児童の表現活動や調べ学習の実践を展開してきた。その積み重ねとして各学年・教科ごとの、コンピュータの年間活用計画を持ち、インターネットの活用も、低、中、高学年ごとに目的を明確化し、取り組んでいる。特にホームページは、インターネットに接続されたコンピュータがー台しかないながら、接続されていないコンピュータのハードデイスクに公開しているホームページと同じ環境を作ることで、学習成果の発表・記録、必要な学習情報を検索する場として、活用している(表参照)。
研究発表当日には、全国発芽マップに参加して、他校から届いた多数の電子メールや、共同学習の記録が展示され、活発な活動が見て取れた。
2年「しゅうかくだ おまつりだ」
2年生の公開授業は「しゅうかくだ おまつりだ」の単元(19時間扱い、本時9時間目)。「野菜の成長がよくわかる、自分たちの野菜紙芝居を工夫して、作り上げる」ことが目標で、学校のホームページの情報から絵を書いたり、お知らせカードを利用して、紙芝居を作る作業をすすめた。
4年「方言と共通語」
4年国語は、単元「方言と共通語」(5時間扱い)。本時は5時間目で、第2時に続き、テレビ会議システム「フェニックス」を利用して名古屋市立牧野小学校と共同学習。これまで、方言について調べてきたことを簡単な劇に仕立て、お互いに発表した。実際に相手の顔が見え、名古屋の子どもたちの方言を聞くことのできる学習はリアルで、「それは、共通語でなんというのですか」などと質問し合い、「いろいろと方言を教えてくれてありがとう」と子どもたちは感謝の言葉を述べた。
5年「ニュースを伝える」
5年社会科は、小単元「ニュースを伝える」(10時間扱い)。本時は8時間目で、グループごとに取材してきた地域の情報を、4枚の写真に絞り込み、「インターネット新聞」(ホームページ)を作るのが目標。郷土史会から来てもらった2人の学外講師から、深谷の歴史や特産物のレンガ、ネギなどについて話を聞いたり、これまで電子メールなどで調べたことをホームページ作成用ソフトを使って入力していった。
続いて行われた全大会では、児童がインターネットを活用した他校との交流について発表。約40校が参加し、今年は5月12日に「ケナフ」を植え全国の学校と生育の様子について情報交換してきた「全国発芽マップ」。児童は、気候や天気により成長が違うこと、また「日本中の人と学び合うことができた」と発表し、環境問題にも役立つケナフを「是非他の人にも育ててほしい」と結んだ。
また、広島市立長束小が中心となり取り組んでいる「全国子ども千羽鶴大作戦」にも協力。授業でこのホームページを見た児童の発案で活動が広がり、全児童に呼びかけ8000羽を折り、長束小に贈った。贈られた折り鶴は毎年、広島の平和集会に備えられるという。 インターネットに接続している台数は少ないが、工夫次第で様々な活動が展開できることを示した発表だった。
(教育家庭新聞97年11月22日号から)