生徒の履修状況を把握
科目・出欠・評価も一目で
神奈川県立大師高等学校
成績管理システム「T-ASSIST」を活用
総合学科を置く高校が増加しているが、神奈川県立大師高等学校は平成8年度から従来の普通科に代えて1人ひとりの個性に応じた進路を保証すべく、総合学科を導入した。
総合学科は、普通科、専門学科に次ぐ第3の学科として平成6年度から設置が認められた新タイプの学校。普通科に比べ、専門的で多様な科目が開設され、選択履修単位数も多い。
単位制の大師高校では、
1年次には、ほとんど普通科の学校と変わらないが、2年次には、履修30単位のうち、18単位を総合選択科目から選択履修、3年次には、さらに22単位を選択履修する。
選択科目数も、「人文科学系」「地域国際系」「環境科学系」「情報ビジネス系」「スポーツ系」「生活福祉系」の6つの系列で約130も用意されている。生徒は、そのなかから自分の進路、興味にしたがって選んでいく。
従って、生徒は必修科目と原則履修科目以外は、バラバラに選択科目の教室にいくことになる。出欠の管理や選択科目の履修管理、成績処理が大変になる。
例えば、1、2年生では朝と帰りのホームルームがあるが、3年次になると、それもなくなる。つまり、3年では3、4時間目は必ず選択履修することとしているが、必修と原則履修科目のない1、2及び5、6時間目は履修状況に応じて学校にいなくてもよいことになっている。従って、4時間目の終了時点で、ショートホームルームをする予定など工夫を考えている。
そこで、同校ではシステムツール株式会社の「T−ASSIST」を昨年7月に導入した。T−ASSISTは、総合学科の履修形態に完全に対応し、LAN環境のもとで生徒の出欠管理や成績管理ができるもの。
その導入の経緯について、 榊原晃一先生はこう語る。
「現在(平成9年度)、2年生が最高学年ですが、朝、帰りのホームルームでは出欠のチェックはできるが、中間は選択科目が多く、出欠管理が全然できない。また、学期末の成績処理も、用紙自体が今までと比べて、10倍ぐらい、100枚以上になる。
7月にT−ASSISTを入れたことで、1学期の成績処理に間に合わせることができた。出欠管理については、1学期は、職員室の黒板に1週間分の時間割りを作って張り、教科担任の先生にチェックしてもらうことでしのいだ。」
導入後、各科目の出欠は1時間ごとに、担当教師がマークシートカードに記入。講座の評定も、マークシートカードに記入。それを係りの先生がパソコンにまとめて入力する方法を取っている。職員室には、LANで結ばれた最新のパソコンが5台ある。これはソフトとともに、リースで購入した。
T−ASSISTは、あらかじめメニューが組んであるので、帳票の入力は簡単。ワープロができる程度の技術があれば、問題ないという。カリキュラムマスターがあり、それに科目や時間割、生徒の氏名を入力することで、講座やクラスごとの出欠簿・成績表を作ることができる。調査書や指導要録に、データは活用できる。
同校では、A3の用紙で、1クラス分の生徒の評定や出欠の状態を一覧に見られるようにしている。(図参照)
<モデル校を募集>
「T−ASSIST」の中学校版を無料で導入できるモデル校の募集が行われている。問い合わせ=システムツール株式会社。電話028・621・5985
(教育家庭新聞98年4月4日号から)