東京都多摩市立北豊が丘小学校
チャレンジみそ、豆腐つくり
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「本校の子どもたちの良い面は、元気で外遊びが好きなことです。休み時間や放課後など、校庭やアスレチックでよく遊んでいます」と語るのは、東京都多摩市立北豊が丘小学校(児童304人)の上谷哲雄校長。同校は昨年度、市教委研究奨励校として「人や自然を大切にする心豊かな子どもの育成〜自然環境を生かした体験的な活動をもとに」をテーマとした研究に取り組んだ。
万葉集にも「多摩の横山」と詠まれた豊かな自然をそのまま取り入れた約7000平方メートルの校庭には、アスレチックをはじめ観察池や水生園、30坪の水田、動物園、果樹園、野草園、そしてアカマツの林や椎茸栽培エリアもある「自然林」の遊歩道などがある。「せっかくある自然だから、整備してもっと活用しよう」という視点から、研究が始まった。
総合的な学習の時間を念頭において、「自然環境を利用した体験的な活動」がテーマ。1「自然への働きかけ」(体験的な活動を通して身近な自然環境と触れ合う、身近な自然環境との触れ合いを通して新たな体験を見いだし発展させていく)2「人とのかかわり」(体験的な活動を通して様々な人々〜友だち・教師・親・地域〜との触れ合いをもつ)3「自己発展への喜び」(体験的な活動で得られた感動や成就感をもとに、すすんで自己を高めていく)、という3点を中心としてユニークな活動が行われた。
1年生の生活科では落ち葉や木の実で壁飾りや置物、おもちゃ作り、2年生は先輩が育て収穫した大豆で仕込んでいたみそを、自分たちでみそ汁にして食べた。「大豆が暗いところで10か月も寝ていると、みそになるんだね」「1年生にもごちそうしたら、“おいしい”と言ってくれた」などの声があった。
3、4年生は縦割り班による自然林での「基地作り」。段ボールやビニールひもを持ち寄り、作った基地の中で昼食をとり、ゲームで遊び、楽しい一日を過ごした後は、林を元の状態に戻すところまで、協力して取り組んだ。他にもスイカ、トウモロコシ、サツマイモの栽培、校庭の粘土で土器作りなど、年間を通じて育てる・作る・遊ぶ活動が校内で体験できた。
「かなりのことが校内で体験できる。稲作りやみそ・豆腐作りなどはその道のプロに指導をお願いしました。教師も知らないことは・知らない・と言って外(地域)に助けを求めると、結構見つかるものです。そのことを先生方も体験で分かった」と研究主任の小山治男先生。
話題の稲作りは今年で3年目。田作りから農家の指導を受けて始まったものだが、今では子どもも先生方もすっかり慣れた。植物の生育を観察する教材にしたり、保護者に協力してもらいもちつき大会を行ったり、家庭科の実習で調理に使ったりと学年ごとに役立てている。
(教育家庭新聞99年9月25日号)
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