環境テーマに総合学習

つくば市立並木小学校
掲示板などの活用

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↓オープンスペースに置かれたコンピュータ


「コオロギについてしらべたいけど、どこにいますか」と校内用の掲示板に伝言を入れておくと、「学校のごみ捨て場にいるよ」、「羽根をこすり合わせて鳴くんだよ」など、自分の知っていることを他の児童が教えてくれる。
 つくば市内のいくつかの学校をつないだ掲示板もつくられていて、「かわせみという鳥がいるそうですが、見た人はメールをください」と載せておくと、他校から「見たことがあるよ」とメールが来る。
                           図書館を改造したメディアルーム↓
 並木小学校では、「スタディノート」という電子メール、データベース、掲示板の機能を持つ写真や絵も簡単に貼り付けられるグループウェアを活用し、学習の様々な場面に活かしている。4年生の「季節と生きもの」では、学級の枠を超え、校内で教えあったメールは400通を超えた。データベースには、さまざまな学習の記録や疑問点が登録されて、4年生の「冬の生き物」では、1単元で800件近い書き込みがあるという。
 子どもたちは、教室から書き込んだり、休み時間に図書室を改造したメディアルームに来て、自由に書き込んだり日常的に活用している。
 「コンピュータで調べるのではなく、実際に調べたり体験したことを、まとめることにコンピュータやネットワークを使っています」と毛利靖先生。
←毛利靖先生
 同校の校内LANは、先生たち自身の手で作った手作りのLAN。コンピュータも保護者の寄付や研究論文の奨励金などで導入したものが多いという。メディアルームには無線LANの設備もあり、教室前のオープンスペースにはコンピュータが各2台、職員室、保健室、帰国室、相談学級、体育館にも、コンピュータと情報コンセントが整備されている。

 こうして、インターネットや校内LANを活用し、「学級・学年・学校の枠を超えた環境学習」をテーマに総合的な学習を推進している。
 総合的な学習のカリキュラム編成では、5年生「身近な自然環境を調べよう」では、特別活動から10時間、国語の環境に関する単元から3時間、理科や社会から各5時間といったように時間を確保。
 そして、できるだけ1人ひとりの興味・関心に沿った多様な課題が立てられるように、学年全体で課題別のグループを編成。学級に戻っても学習が継続できるように、環境調査のまとめはコンピュータのデータベースに登録している。学習成果の一部はホームページにも公開。
 孫から聞いて見たという人から「『私のページがあるので、見てね』というので拝見した。孫の成長をしみじみ感じました」というメールが来たり、帰国子女学級のホームページを見て、「どこに住めば、並木小に入れますか。」と海外からもメールが来る。
 また、近くの花室川について他校とインターネットを使った共同調査や、ケナフの共同栽培などにも取り組んでいる。
 同校は11月26日に、公開研究発表を行う。

 なお、つくば市は先進的教育用ネットワークモデル地域に指定され、9月には市内48校が、スタディノートの「先生の広場」などの機能を介し、情報交流できるようになる。
(教育家庭新聞99年8月7日号)