百科事典ソフトで課題設定
東京都墨田区立墨田中学校
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東京都墨田区立墨田中学校の2年社会科で6月7日、江戸時代をテーマに「エンカルタ百科事典99」を活用した研究授業が行われた。
「江戸っ子の気分になろう」をテーマにした8時間扱いの調べ学習の2時間目。生徒は2人1組になって、百科事典ソフトを操作して、「仮設検証レポート」に、自分なりに興味を持った課題とそれに対する仮説、検証結果などを書きつけていった。
「どうして火事は江戸のはなだったのか」「目安箱を作るきっかけとなった民衆の不満はどこからきたのか」「なぜ、伊達正宗は右目がないのに、あるように見える写真なのか」などとめいめいテーマを設定。仮説を考え検証していった。
本時は調べ学習のための助走といった授業で、マルチメディア百科事典の利点を活用しテーマ設定や仮説、検証のための思考の訓練をしたような時間といえる。当初は課題がなかなか見つけられない生徒も多く、また男子に比べ女子の方が課題設定がはやくできているようだったが、今後は5時間図書室を利用し、テーマを設定しその背景を学習し、仮説・検証、発表へとつなげていく。
指導者の三橋秋彦先生は、「これまでの社会科の枠を壊すような授業を年間の学習の中で設定している。つまり、教師が一方的に話をするのではなく、生徒1人ひとりが異なる目的をもって異なる取り組みをする。それを切り口に調べ学習に入っていけるのではないかと考えている」
三橋先生は、こうした学習を「仮説検証学習」と言い、1年次でも室町時代・戦国時代などをテーマに調べ学習を設定、社会事象を理解するための科学的な態度の育成などをねらいとしている。
(教育家庭新聞99年7月3日号)
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