イントラバケッツを活用して
東京都杉並区立西宮中学校
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校内サーバにアップロード
東京都杉並区立西宮中学校は6月はじめ、3年生の修学旅行で広島に行き、平和学習を行った。「平和と命の大切さを学ぶ」のが目的で、原爆ドームや資料館を見学したり、1クラスに2人ずつ被爆体験者の方に来てもらい話を聞いたりした。修学旅行の行き先は学年で決めるため行き先は学年で異なるが、今年は広島を選択した。
小池義之先生のクラスでは、その体験をネットワークシステムソフト「イントラバケッツ」でまとめている。テーマは自由で、思い出や役に立つ情報などの文章を作って絵や写真を貼りつけ、何時間かかけて校内サーバーにアップロードする。最初の時間、生徒は二人一組で「ゲンバク」「修学旅行記」などタイトルを考えるところからはじめ、文字を入力するためのワクを作ってタイトルを入力し、文字に色をつけ、レイアウトを工夫した。
西宮中学校では、特に年間指導計画に明確に位置づけるといった形ではなく、必要に応じて、データベースへの登録とホームページコンテンツ作成ツールとしてイントラバケッツを使っている。理科や社会などの調べ学習や自由研究、遠足や修学旅行の事前・事後学習で。
「動作が軽くて、機能が多くない分、操作性が良く発展性がある」とイントラバケッツの利点について語る小池先生は、「ホームページを立ち上げようとしても、トップページや次ページをどう作ろうかと頭を悩ましている先生が多いと思う。そういう点でイントラバケッツは苦労が少ない」と同ソフトの特徴を強調する。
イントラバケッツは、調べ学習で作ったデータなどがそのままホームページ形式のHTMLになるので、あらためてホームページの形式に作り直す必要がない。コンテンツを作り込み蓄積して、後で必要な部分をホームページにアップすることができるというわけだ。
区内全中学校にグループウェア
杉並区では、平成10年度に機器の更新にともないイントラバケッツを区内の中学校全てに導入した。それを受けて、杉並区立済美教育研究所は教育研究の1つとして、コンピュータ・ネットワークの活用をテーマにした研究を同年に開始。特定の学習指導用ソフトに依存しないコンピュータの活用を目指し、小池先生はイントラバケッツを使って教室内LANを活用して、地域紹介のページを作り、さらに自然や社会、文化、歴史などの4項目について調べた内容を情報カードにまとめさせた。インターネットでの情報発信に向けて基礎研究を行った。
平成11年度は、杉並区のインターネット活用のパイロット校として西宮中学校を含め6校がインターネットに専用線のCATV回線で接続したのを背景に、インターネットの活用に着手。共同研究で小学校と中学校の異校種間でコンテンツのやりとりをするのをねらいに、中学校はイントラバケッツで小学生に役立つ中学校の情報や東京のガイドブックを作り、小学校は学校新聞を作成して、お互いの作品を教え合い評価しあうことを試みた。
「子どもたちの成長記録を小学校から中学校までデータベースにまとめるのが夢」と抱負を語る小池先生は、今後国内や海外の学校と交流が広がっていったときに、小学生同士のメールのやりとりの中に英語の翻訳で中学生を加える、またバーチャルコンピュータクラブを作って、CGやソフトなどで作った作品をメールでやりとりをすることや自由研究の発表会をインターネット上で期間限定で行うこともできるだろうと提案する。
(教育家庭新聞2000年7月1日号)
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