学区の地図の上に今と昔の写真を

デジタルで記録に残す
神奈川県大和市立林間小学校

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3年「市の人たちのくらしのうつりかわり」
 「子どもたちは、以前とは違う観点で学区を見てくるようになりました」と語るのは、神奈川県大和市立林間小学校の来住和年先生。
 3年生の「市の人たちのくらしのうつりかわり」の題材の中で、学区の昔と今の様子の違いを理解するために、マルチメディアソフト「きりはり教室」を使って、グループで分担し、スキャナーで取り込んだ学区の地図の上に、現在の町の様子の写真と昔の写真をコメント入りで張りつけ、それぞれのページについて、子どもたちはコメントを声で吹き込んだ。
 以前の学習では調べてきたことを模造紙に書き込んでいた。しかし、限られた紙のスペースでは、情報が入りきらない。そこで、1学期に行われた「町たんけん」から、デジタルカメラなどを持って撮影したり調べてきたりしたことを、デジタル化して記録し残すことにした。
 そして「今までは教師主導で、学区探検を引っ張ってきましたが、デジタル機器を楽しく使うことで、子どもたちの主体性が増すようです」と来住先生はいう。
 「きりはり教室」(日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社)は、台紙の上にきりはりする感覚で、写真や絵、ビデオ、音、説明がきなどを取り込むことができる。難しい操作はなく、選択した写真や絵を、マウスで好みの位置にドラッグアンドドロップするだけ。そのページにさらに絵や写真を階層的に張り込んでいくことができる。クリックするための透明なボタンはドロップした絵の上などに自動的に作られる。
 題材「市の人たちのくらしのうつりかわり」は、全20時間。七輪で火をおこしてみる、むかしの道具を調べる、手で洗濯をしてみる、などの活動計画の一環として、今と昔の街の違いを調べ、昔の街並みの写真を準備して、ソフトに入力した。子どもたちは「この写真は、昭和40年代の小田急線の線路です」などと声で吹き込み、最後に早くまとめたグループがプロジェクターで発表した。
 同校のPTA会長で学習ボランティアでもある「きりはり教室」の共同開発者の任都栗新(東京学芸大学助教授)さんは、「我々が生活しているのは、3次元の世界です。そこで見たり調べたりしたことを地図という2次元の世界に連携させていく。連携する過程で子どもたち同士で話し合い、記憶を確かなものにすることができる」とデジタル化する意義を強調する。

 (教育家庭新聞2001年3月3日号)


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