学校トイレを快適空間にしよう−小冊子配布
【改善提案集「明日の学校トイレ」作成】
「臭い」「汚い」「怖い」−−・3K・とも「暗い」「壊れている」を加えて・5K・ともいわれ、子どもたちに敬遠されがちな学校のトイレ。とかく評判が悪いこの学校トイレを、明るく快い空間に変えようという動きが目立ち始めているが、水回りの設備や洗剤メーカーなどで組織する「学校のトイレ研究会」ではこのほど、小・中学校向けのトイレ改修提案集「明日の学校トイレ〜子供たちの要望に応える小・中学校のトイレづくり〜」を作成。希望者に無料配布している。これは同研究会が子どもたちの視点から見た小学校のトイレを調査し、レポートとしてまとめ昨年発刊した小冊子「望ましい小学校のトイレ環境」に続く第2弾。
<詳細>
今回の「明日の学校トイレ」では、実際の小・中学生へのヒアリング「こんなトイレがほしい」の他、生徒たちが参加して改修を行った東京・私立藤村女子中学校の「生徒、先生、設計者がアイデアを出し合ったトイレ」と石川・金沢市立鳴和中学校の「生徒の要望を実現するためみんなでがんばった」という2つの改修事例が詳しく紹介されている。また「これからの学校トイレ計画」をテーマに1与えられた条件の整備2コンセプト計画3配置計画4空間計画5設備計画6メンテナンス計画−−について具体的に提案しているのも参考になる。
例えば「こんなトイレがほしい」では、東京都の小学校児童321人を対象に行ったアンケート調査を掲載しているが、「学校のトイレが好きですか?」の質問に対して「好き」と答えたのはわずかに5人。「嫌い」が152人、「どちらでもない」が164人という結果。「どんなトイレがほしいか」の質問(自由記載)では、「おしっこやうんちをしたあと、自動的に流れるトイレ」「音楽が流れているトイレ」「本が読めるようなトイレ」……など、さまざまな・夢のトイレ・が登場してきて思わず真剣に考えさせられてしまう。
また、改修事例の「こうして改修した私たちのトイレ」も、そのキッカケから具体的な計画に至るまで実際に訪問し調査した結果を詳細にレポートしているので、実に興味深い内容となっている。 「これからトイレの改修を計画する場合に考えなければならないことを、できる限り広範囲にわたって具体的にリストアップしました。これからの学校トイレの改修に役立ててもらえれば」と同研究会では話しているが、学校関係者にはぜひ読んでもらいたい1冊といえる。
【申し込み方法】希望者は電話かFAXで申し込む。FAXの場合は住所、氏名、電話番号、FAX番号、職業を明記。〒105−0001東京都港区虎ノ門1−1−28 TOTO内「学校のトイレ研究会事務局」 TEL03・3595・9713 FAX03・3595・9727まで。
(教育家庭新聞98年9月12日)