学校給食文部大臣表彰校の実践
心のふれあいの場として推進
東京都足立区立梅島第一小学校
平成10年度文部省学校給食優良校として表彰された東京都足立区立梅島第一小学校(坂元直子校長・児童数389人)では、心の教育の一環としての心を育む学校給食を推進してきた。平成7、8年度足立区研究奨励校として道徳「心豊かな児童の育成」を研究主題に、心の教育、ボランティア教育とともに給食指導に取り組んできた。給食に関しては、心のふれあいを目的としたランチルームでの敬老給食や誕生月給食、アレルギーの子どもに対する除去食、特別食の実施、肥満児に対する指導などを行っている。
敬老給食・誕生月給食
食事を通しての会話から心の交流を図るという目的で、そのふれあいの場としてランチルームでの敬老給食や、教員も含めた誕生月給食を実践。敬老給食で
は、1年に1度全学級に数名のお年寄りを呼び、会食をする。自分たちの祖父母だけでなく、学校の周りを掃除してくれる老人など近隣に住む人々にも声をかけ、手作りの招待状を送り毎日の感謝の意もこめての会食。
0621 誕生月給食では、子どもたちだけではなく、その月に誕生日を迎える教員や主事も一緒に参加する。会食だけでなく、先生方がそれぞれ自慢の芸を披露。得意の楽器を演奏したり、手品やクイズで楽しませたり、事務主任さんが野菜で作ったコマを披露したこともあったという。普段は目にすることのない先生の意外な一面を見られたりして、単なる会食だけではなくお楽しみ会的な要素も加わり、よりいっそう心のふれあいの場となっている。
全校で豆つかみ大会
食に関する学校行事も盛んだ。全校豆つかみ大会では、給食用の木製六角箸を使って、低学年は殻付きピーナッツ、中学年は大豆、高学年は小豆を上手につかんでその速さを競う。これには、学校長自ら子どもたちとのふれあいの場として積極的に参加している。この他の行事として、給食の食材を、赤、黄、緑に分けて行う「栄養ビンゴ大会」などがある。ビンゴだけでなく、全校で栄養の歌を歌うなど、食への関心を高める場になっている。
アレルギーの児童に対する除去食や特別食では、「一人一人の食を大切にしていこう」という思いで、保護者、校医、養護教諭、学校栄養職員が連携を取り、改善へ向けて対策を立て相談会も開いている。家庭から鍋を持参してもらい、その日の材料を使って、一人分を作る。卵アレルギーの子には卵焼きなどのメニューだったら、味噌汁の豆腐を利用して卵焼に似せて作るなど、工夫を凝らしている。肥満指導では、「キャロットクラブ」という別時間クラブの中で、生活リズムや栄養のバランスを学んだり、楽しく体を動かすことを中心に実践している。これは保健給食部、体育部の先生を中心に、担任のアドバイスにより、明るいイメージで勧められているという。
特別な活動をしているわけではないというが、常日頃から、心の教育の一環に給食の場をふれあいの場として取り組んでいる実践だ。
(教育家庭新聞98年12月12日号)