進む外部委託・調理員の非常勤化も増加

           平成9年度学校給食実施状況調査まとまる〜文部省〜
 

  平成9年度学校給食実施状況の調査が先月まとまり、文部省から発表された。平成9年5月1日現在の状況で1学校給食実施状況調査2学校給食費調査3米飯給食実施状況調査4学校給食における食堂・食器具使用状況調査−−の4項目。食堂・食器具の調査は3年に一度、他は毎年行われているもの。今回の調査で特徴的だったのは、食堂・食器具の調査で、環境ホルモンの影響が指摘されていた「PC食器」の使用が大幅にアップしたこと、・犬喰い・の原因とされた「先割れスプーン」の使用率が減ったことなどがあげられる。

 
調理の外部委託7・8%に


 学校給食を受けている幼児・児童・生徒は、全体で約1164万人で、実施率は93%。調理方式状況は、学校数の比率でみると、単独調理場方式が46・2%の1万4323校、共同調理場方式が53・8%の1万6695校となっている。平成8年度と比較すると単独調理場方式が0・4ポイント減、共同調理場方式が0・2ポイント増であった。
 学校栄養職員数は、前年と比べ25人増の1万1811人。学校給食調理員のうち、非常勤職員は1万9376人となり、比率も平成7年度21・8%、8年度23%、そして今回24・3%と確実に増加傾向にある。
 学校給食業務の外部委託状況は、調理業務については単独校調理場の小学校357校、中学校308校、共同調理場238(1767校)が実施。合計で2437校、これは全体の7・8%になり、前年と比べ0・4ポイントの増となっている。また洗浄業務についても0・2%の増となっている。
 学校給食費は、前年度からの上昇率は小学校2・8%、中学校2・4%の増。米飯給食を受けている幼児・児童・生徒数は約1068万人で、完全給食を受けている幼児・児童・生徒の99・0%となっている。また週当たりの平均実施回数は2・7回(月当たり10・7回)である。

PC食器の使用大幅アップ

 食堂を利用して給食を行っている学校は、全国で8554校。これは、完全給食及び補食給食実施校の25・9%となっている。平成6年度の前回調査と比較すると全体で815校、2・4ポイントの増となっている。
 食器の使用状況では、前回調査から大幅に増加したのはポリカーボネートで16・7ポイント増の33・5%、ついで陶磁器は3・2ポイント増の13・2%であったが、アルマイトは9・6ポイント、ポリプロピレン7・3ポイント、ステンレス2・1ポイントとそれぞれ減少している。従って、多く使用されているのはポリプロピレン(34・2%)、ポリカーボネート(33・5%)、アルマイト(22・8%)の順。この調査は昨年の5月の調査状況であり、ポリカーボネート製食器の環境ホルモン問題で、今年の5月に文部省が緊急で食器の調査を行った調査結果とは異なっているとのこと。
 食器を保有している数は、3点保有している学校が1万2826校(41・1%)ともっとも多く、次いで2点6002校(19・2%)、4点5227校(16・7%)となっている。

(教育家庭新聞98年11月14日)