子どもの夏の朝ご飯調査
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今年5月に発足した朝ごはん実行委員会(食糧庁・JA全中・JA全農)では、首都圏及び関西圏の小学校5・6年生と、その学齢の子どもを持つ母親計600人を対象に「子どもの夏の朝ごはん調査」を実施。朝ごはんの現状と夏休みに取り組んでみたい食生活について調査した。
「朝食を食べているか」の質問には、「1週間に6〜7日程度」と答えた子どもが91・7%、母親が97・4%と9割以上がほぼ毎日朝食を摂っているという結果。「朝食は食べない」と答えた子どもは0%だった。朝食で多く食べる主食は「ごはん」と答えた子どもが43・4%、「パン」との答が53・5%とパン派がわずかに多く、逆に母親は「ごはん」が52・6%、パンが43・4%だった。
「朝食は誰と食べるか」の質問に「兄弟・姉妹で」が61・8%、「自分一人で」が14・5%であり、「父親と」との答えはわずかに5・3%にとどまった。また、朝食摂取頻度が「1週間に1度」と答えた子どもの66・7%が、子どもだけで朝食を食べており、逆に、「1週間に4日以上」朝食を食べている子の22・5%は家族全員で食べていることがわかった。
ごはんが主食の子どもとパンが主食の子どもを比較した調査では、「朝食をどのくらい食べる」の質問に「ふつう」と答えている子がごはん派の方がパン派よりも8・2ポイント高く、逆に「あまり食べない」と答えている子が7・4ポイント低いという結果となり、ごはん食を食べている子の方が食欲旺盛であることがわかった。また朝食で食べる副食や飲み物について聞いた項目では、ごはん派はパン派に比べて、汁物、卵・卵料理、豆・豆腐・納豆、などの食品で大幅に上回っており、逆に乳製品やジュース類はパン派が高いという結果になった。
朝食時のあいさつについて聞いた質問では、「毎日する」がごはん派56・7%、パン派43・4%、「あまりしない」がごはん派で10・8%に対し、パンはが20・2%であることがわかり、さらに会話については「ほとんどない」と答えた人がごはん派8・3%に対し、パン派は14・1%と高く、ごはん食の方が挨拶、会話共に多く、コミュニケーションがうまくとれているといえる。
子どもの健康状態を聞いた質問では、「特に問題はない」と答えた母親が、ごはん派で41・7%だったのに対し、パン派は33・3%。また「疲れやすい」「便秘しやすい」などの質問にパン派の回答が高かった。
食生活に関して夏休みにやってみたいこととして、「一緒に料理を作る」が母子ともにもっとも多く、男子の回答も42・6%という高さ。また子どもたちの第2位には「朝ごはんをしっかり食べるようにする」に4割近い子どもが回答している。
「朝・昼・夕の中で一番大切な食事は」の質問に、45・2%の母親が「朝食」と答えている。規則正しい生活のため、体力をつけるため、栄養バランスのためなど様々な理由があげられており、母親の朝食に対する意識の高さが伺える。さらに、夏の朝食に食べさせたいものを聞いた質問では、第1位が野菜で39件、次いで果物と牛乳がそれぞれ25件ずつ。子どもが朝ごはんに食べたいものは、第1位がホットケーキ、サンドイッチで26件、第3位におにぎり21件だった。
足立己幸氏(女子栄養大学教授)は、今回の調査で興味深いこととして、ごはんが主食の子どもほどおかずの種類が多いことと、食事時の挨拶を毎日する子がごはん派で多いことに注目。ごはん食の方が栄養素の組合せのバランスが良くなり、人とのつながりが、より大きくなることが明らかになったと述べている。
(教育家庭新聞2000年8月12日号)
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