第41回全国学校栄養職員研究大会

今年1月からホームページも開設
東京・板橋区常磐台小学校

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 東京都板橋区立常盤台小学校は、「パソコンを活用した・食・に関する指導」の研究校として文部省から指定を受け、昨年の11月にパソコン、プリンター、MO、デジカメなどが設置された。設置場所は職員室。
 同校学校栄養職員の中村扶美子さんは、毎日このパソコンを使って授業で使う資料の作成や献立表、給食たよりなどを作っている。また1月にはホームページを開設し、家庭や地域に向けての給食レシピや子ども達の給食の様子などを掲載している。「献立表の作成や食品の発注書などで以前からパソコンを使っていましたが、教材の作成やホームページなどはまったく初めてで、先生方から教わったり本を読んだりして覚えています」と中村さん。都や区が行っている教職員のためのパソコン講習会などにも積極的に参加しているという。

 自分達で食べたいメニューを選ぶリザーブ給食の案内も、料理をデジカメで撮影しそれをパソコンに取り込んで編集。子どもが見てすぐにわかるようカラフルなプリントとなって教室に配られる。また、献立のレシピ紹介や授業実践の内容などの記録もパソコンで簡単にまとめて保存しておくことができるという。中村さんはティームティーチングの形で生活科や家庭科、特別活動の時間など年に数回の授業に参画しているが、ここでも教材作りにパソコンをフル活用。4年生の学級活動の中で、給食のメニューに自分達で数品を加えて、よりパワーアップした献立を作ろうという授業を行ったが、納豆や大根サラダ、ひじきや苺といった23種の料理の画像を本からパソコンに取り込んでプリントしたものを配り、子ども達はその中から料理を選んで切り貼りし、自分だけの献立を作った。「ただ文字でメニューを書くよりも、視覚でとらえることでイメージしやすく学習意欲も高まります。パソコンがなければ思いつかないような資料が作れ、授業にも幅がでてきます」。パソコンを使うことによって、それまで手作業で行っていた資料も楽にでき、子ども達も興味をもちやすいという。
 現在、同校にはパソコンルームに10台のパソコンが設置され、インターネットにも接続されている。今はまだ何人かの子どもからメールが届く程度だが、後々はホームページを通して子どもへの指導など行っていきたいとのこと。

 ホームページには給食で出されている献立の作り方がたくさん紹介されており、お母さんが見てすぐに作れるようになっている。「給食の献立が少しナも家庭の食卓に反映されればいいなと思います」と中村さん。食の指導を行う上で、子どもだけでなく家庭の親の意識も変えていくことが必要であるといわれる。そのきっかけのひとつとしてホームページが役にたっている。
 またページには献立のほか、学校給食の様子や授業の様子なども掲載されており、家庭や地域への情報提供はもちろん、他の学校の栄養士との情報交換の場になっている。まだまだネットでの交流は数少ないというが、和歌山や大阪など地方の栄養士から実践について問い合わせがくることもあるとのこと。これからは全国の多くの栄養士さんと意見交換などができたらいいと中村さんは話す。
(教育家庭新聞2000年7月15日号)