パソコンを活用した食に関する指導の実践

献立作りで意欲高め

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 新潟県上越市立東本町小学校
http://www.jorne.or.jp/~e-honcho/99/soyokaze/lunch01.htmでは、平成10年度にコンピュータやネットワークの整備を行い、昨年度から本格的に利用を開始。さらに「パソコンを活用した食に関する指導」の文部省指定研究校になっていることから、学校全体で食に関する実践を積極的に行っている。

 各学年さまざまな形でこの実践に取り組む中、5年生では家庭科の時間を使って「栄養満点そよかぜランチ・プロジェクト」を実施した。給食に入っている食品を調べ、新潟インターネット教育利用研究会が作成した「栄養調べCGI」に入力することで、給食が栄養バランスよく作られていることを知る。そして、この「栄養調べCGI」を使って、食品を入れ替えたり、一部を替えたりして栄養バランスのとれたメニュー作りを自分たちで行い、さらに学年で1つ選ばれたメニューはある1日の給食の献立になった。またこの活動の様子をデジタルカメラで撮影し自分達の班のホームページとして作成し、公開している。

 この活動を通して、自分達のメニューに足りない栄養素の食品を資料で調べるなど、自発的な学習の態度が見られたという。また休み時間になるとコンピュータを使って食事調べをするようになり、「僕の今日の食事はこんなのだったよ」といった声も頻繁に出るようになったそうだ。「ただ机上で教えるだけでは、栄養素について理解できたとしても、うまく生活の中で食べ物を選択できる能力は培われません」と清水雅之教諭は話す。膨大な資料の中から食品の栄養素を調べたところで、時間がかかりそこまでで終わってしまう。それをパソコンを利用することで、栄養価の計算はパソコンで行い、「栄養のあるおいしい食事を食べてもらおう」という前向きな活動に結びつけることができるようになった。

 同校は学校栄養士が常勤しておらず他校との兼務であるが、時間を調整して計画の時点から全て参画。担任とティームティーチングを組む形で栄養価や食品群などの指導やアドバイスを子どもたちに行った。「こんにゃくの栄養価など、私たちではわからない質問も子ども達から上がりますから、栄養に関することはほとんど栄養士さんに指導していただきました」と清水先生。パソコンでできることはパソコンに任せ、資料で調べられることは自分たちで調べ、さらに栄養士の専門的なアドバイスを受ける。パソコンを利用することで、食への関心が増し、自ら興味をもって学習している姿がうかがえる。
 この5年生の活動が派生し、6年生は「ふれあい弁当」という形で6年生が栄養価を考えて提案したお弁当が全校へ提供された。今年度の計画はまだ立てられていないが、また違った形でパソコンを使って「食」をテーマにした実践を行っていく予定であるという。
(教育家庭新聞2000年4月15日号)