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青山学院初等部-望ましい食事を目指し
青山学院初等部では、「望ましい食事」という考え方のもと心をこめた食事の提供が行われており、「生きた教材」として日常の食事が活用されるようにという願いが込められている。
「食は文化であり、楽しみの糧とされるわけですから、文化に合った本来の食を大切にしたい」と話す同校管理栄養士の宍戸裕子先生。ごはんに牛乳といった組み合わせは同校では出されず、和食や中華の時は主にみそ汁やスープが出されている。学校で牛乳がない日には献立表に牛乳のマークを印し、家庭で補うようにお願いをしているという。「食事の組み合わせを重視していますので、お米が主食の日本食や中華に牛乳といった組み合わせは出しません。栄養価については1か月を目安として全体のバランスを考えています」と話す。
木曜ランチョン
同校の食事の特徴として有名なのが30年間続いている木曜ランチョン。「最も望ましい食事」を目指し、毎週木曜日に1学年ずつ実施されている。平常6学年に当てられる人手を1学年に集め、心をこめて手をかけて調理が行われる。費用は学年による違いはあるが、平常の2倍位。この日、他学年は家庭の手作りお弁当となる。
この時に使われる食器は、料理によって使いわけ、洋食の時には磁器を中心に、和食の時は陶器や塗り物などを扱い、季節によってはガラス製を使用することもある。「家庭で使われている食器は陶器や磁器が主流ですから、それらを使うことが本来の姿だと長年大切にされてきました」と宍戸先生。テーブルには花を飾り、一人ひとりにランチョンマットが敷かれ、カラフルな紙に書かれたメニュー表が置かれる。
高学年には和食、洋食、中華の献立をできる範囲において本格的なコースで計画され、テーブルマナーの学習の場にもなっている。低・中学年に関しては、食事を楽しんでもらえるようにと和・洋・中のメニューをバランス良く盛り込んでいる。また、食材や味付は学年に応じて配慮され、高学年にはさまざまな食材が提供されている。季節感はもとより、彩りにも気を使っているという。
クリスマス・ランチョン
取材に訪れた日は、6年生の木曜ランチョンの日。メニューはコンソメスープ、フランスパンににんじんのサラダ、ローストチキンのフレンチポテトとほうれん草のソテー添え。デザートには手作りの洋梨のモスコビーが出された。この日のメニューはアメリカのクリスマス料理で、次の週に行われる4年生のランチョンはイタリアのクリスマス料理。その次の3年生はイギリスの料理とのこと。
食堂では明かりを消し、テーブルにはローソクの灯がともり、クリマスのメサイヤが流れている。席に着くと、温かいスープが調理員たちによって運ばれてくる。教師からクリスマス料理についての説明があり、お祈りをした後に楽しい食事の時間が始まる。スープを食べおわる頃にローストチキンが運ばれ、テーブルに1つずつ置かれたパンかごからフランスパンを一切れずつ取り、バターを塗っていく。子どもたちはフォークとナイフを使ってローストチキンを食べるのだが、1年生から使用しているので、6年生ともなればお手のものだ。
このような行事食や季節料理だけでなく、この木曜ランチョンには教科の学習と関連づけたメニューを実施することもあるそうだ。今年の1学期には、5年生が国語の時間に学習したソーミンチャンプルを食べてみたいという要望に応え、ピーナッツ豆腐やラフテーなども加えた伝統的な沖縄料理も提供している。
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