自転車発電など体験

親子による省エネ活動発表会

 神奈川県川崎市立新町小学校で、先月25日に「親子による省エネ活動発表会」と省エネイベント「親子で体験。バーチャル省エネ」が行われた。春休み中のイベントであったが、同小学校の教師、児童、保護者や隣接学校区の関係者ら約100人が集まった。

 「親子による省エネ活動発表会」では、電気使用料料金表示システムを設置し、省エネに取り組んでいる3組の家庭における省エネ活動やその感想についての発表が行われた。
 どの家庭も、まず始めたことがまめにコンセントを抜くこと。これで電気代の10%を占めている待機電力の削減になるという。1か月の電気代が4000円減になったという家庭では、電気ポットの使用を止め、また洗濯もまとめて行うことで水の節約も行った。子どもの部屋にはとかく電気製品が多いものだが、この家庭でも子ども部屋には、エアコン、MD、エレキギターなど電気製品がたくさんあったため、子どもの協力も得て削減に努めたという。「長く続けていきたいと思いました。また地域へも広げていきたい」と感想を述べた。

 電気代が目標の10%減をはるかに上回り、半額近くに減ったという4人家族の家庭では、表示機を設置したことで、家庭の対話が増えたということも話してくれた。「省エネ対策のことから、毎日の表示機の値が話題になったり、家族全員で実行したという感じです」。コンセントを抜くだけでなく、夜にはブレーカーも落とした。今後の課題としては、落としてもいいブレーカーと、冷蔵庫のように落としてはいけないブレーカーを確認し、さらに省エネに努めていきたいとのこと。
 発表後の「バーチャル体験」では、東京の大学生らによる省エネ啓発グループ「KIDSプロジェクト」の協力により、さまざまなイベントが空き教室や体育館を使って行われた。
 自転車発電機で、テレビやラジオをつけたり、おもちゃを動かしてみるコーナーや、火起こし機を用いて、火種から火を起こし、ガスの便利さと比較してみるコーナー、実物のゴミを川崎方式で分けていく「ゴミ分別」コーナーなど、遊び感覚で省エネを体験した。
 顔が真っ赤になるくらい自転車をこぎ、やっとテープから音楽が流れてきて喜ぶ子どもや、初めての火起こしに楽しそうに取り組んでいる子どもたちの姿が見られた。
 参加した母親は「待機電力の節約方法についてなど、知ってはいましたが、なかなか実践には移せませんでした。こまめにやっていけば、大きな節約になるとは思うんですが。電気はあまり無駄には使ってはいないつもりですが、今日の発表で毎日のちょっとした心がけで大きな省エネが出来ることを知り、自分の家では実際にどのくらい使っているのか確認してみて、どの程度削減できるかやってみたいなと思いました」と、話した。

 このイベントは、(財)省エネルギーセンターが、省エネルギーの実践を市民一人ひとりのレベルにまで浸透させるために行っている事業のひとつ。3月25日の電気記念日に合わせて開催したもの。
 同校は、学校ぐるみで省エネに挑戦しており、校内には、消費した電力使用量がリアルタイムに金額表示されるフロア用電力使用料金表示システムが校舎内に4台、体育館内に1台設置されている。省エネルギーセンターが、さまざまな省エネ活動を支援する「省エネ共和国」の学校型モデルケースとなっている。

(教育家庭新聞99年4月17日号)