(財)日本学校保健会は、2月23日に日本医師会館で、平成23年度の「健康教育推進学校表彰式」及び同会の事業報告会を開催。最優秀校の6校による実践事例発表会などが行われた(全表彰校は下記の通り)。
―受賞校一覧― |
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今、学校現場は様々な問題を抱えているが、それは校内の推進体制の確立のみならず、学校保健委員会を中心とする学校と家庭・地域社会との連携による、地域ぐるみの取り組みが必要だ。
健康教育推進学校を表彰 日本学校保健会 |
そこで、同会は「21世紀・新しい時代の健康教育推進学校表彰事業」を平成14年度から実施。今年度は、最優秀校6校、優秀校11校、優良校73校が表彰された。
最優秀校を代表して三木町立三木中学校の串田諭裕校長は「非常に素晴らしい賞をいただき、大変光栄です。毎日の子どもたちの健康に対し、学校医、歴代の校長に感謝しております。また明日から子どもたちのためにコツコツと積み上げていきたいと思います」と謝辞を述べた(最優秀校の事例は4月16日号で紹介予定)。
また、今回は被災地支援事業として、「共に育む 健やかな子ども」をテーマに、東日本大震災時により被災した、宮城県東松島市立浜市小学校と岩手県立宮古工業高等学校の児童生徒が、被災地の現状を報告し、この1年を振り返った。
浜市小学校には津波が押し寄せ、子どもたちは一晩を学校で過ごした。家族と再会した子どもたちはそれぞれ避難し、再び学校で仲間に会うことができたのは、3月28日のことだったという。
そんな中、近隣の小学校を借りて新年度が4月21日にスタート。学校が離れたため、登校が不便になり、スクールバスをデンマークが支援してくれたそうで、デンマークの皇太子が学校を訪れたことを笑顔で語った。
他にも、日本中、世界中の人から支援を受けたことに御礼の気持ちを表したいと、子どもたちからのDVD映像が流れると、会場のあちらこちらからすすり泣きが聞こえた。
最後に「元の生活に戻りつつありますが、完全な復興はまだです。今度は私たちが地域の復興の担い手になりたいです」とあいさつした子どもたちには、大きな拍手が贈られた。
発表した保健委員の生徒は、地震が起きた時間自宅にいた。母親に呼ばれて家の外に出たが、3月の東北はまだまだ寒く、車で過ごしていた。しばらくして海を見ると潮が引き、沖から大きな津波が押し寄せる姿を目の当たりにしたという。
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漁業を営む父親の船は流され、海から1キロほど離れた学校の1階も津波で浸水。他校を間借りして新年度がスタートし、8月29日に自分たちの学校に戻ったが、電車の線路は流され、バスでの通学を余儀なくされている生徒もおり、不便はあるが、10月の体育祭で久しぶりに仲間と笑いあえたと喜ぶ。
生徒の進路は、東日本大震災を機に変化があり、地元の復興に関わりたいと考える人も増えたという。12月には就職希望者全員の内定が決まった。「何の面識もない全国の人が支援物資を送ってくれたことで、私たちはつながりの大切さを学びました」と感謝の思いで締めくくった。
発表後には、日本学校保健会の原中勝征会長から感謝状と記念品が贈られ、「これからも頑張ってください」と原中会長は力強く激励した。
【2012年3月19日号】