前号の和食のマナー給食に引き続き、江戸川区立第二松江小学校の大留光子栄養教諭が実施した洋食のマナー給食から、栄養教諭の活躍と校内外との連携について取材した。
副校長がマナー指導。管理職への 依頼がポイ ント(上) 栄養教諭はギ ャルソンをしながら 全体を把握(下) |
■洋食のマナー「おすましランチ」
5年生2クラスを、1クラスずつ分け給食時間に実施。事前にワークシートである程度の知識をクラスで共有しておいてもらう。該当クラスの給食献立を特別献立にし(この日はキャロットポタージュ、パン、ハンブルグステーキソース フランマンド温野菜添え、サラド・パナシェ、ガトーショコラ、紅茶)、会場はランチルームがないため、図書室に設定。カーテンやテーブルクロスを使い、レストランに変身させる。「コンセプトはレストラン。環境を整えることが大切です」
■食育パートナーの支援
廊下で調理員が盛り付けし、すぐに料理をサーブするため、「食育パートナー」がギャルソン役となってくれた。同校では、食育活動時の手伝いをしてくれる保護者を年度始めに募り、計画的に組織化している。
テーブルセッティング、ギャルソンなど、こだわりを持ち適度な緊張感を児童に持たせることも重要と大留教諭は考える。
■管理職がマナー指導に協力
「二松レストランへようこそ」大留教諭のあいさつと共に着席すると、主賓(管理職など)が登場し、緊張感がアップする。それを和ませてくれるのが、座り方から食べ方、食事の終わり方までの指導を行うマスター役の副校長だ。威厳のある管理職に依頼するのがポイントで、事前にマナー指導資料を提供しておく。食事がサーブされた頃合いを見計らって食べ方、楽しみ方を教えてもらう。
■系統立てた計画で成功へ
洋食のマナー給食は、和食の作法を指導した上で行う。系統立てた計画をすることが「食育」として重要なのだ。また、「マナーは、国によって違います。大切なことは、一緒に食べる人が、気持ち良く楽しく過ごせるような身のこなしを知ってもらうこと」と、楽しむ場の提供が栄養教諭としての心構えと話す。
【2012年3月19日号】
関連記事
・【食育実践】魚の食べ方と箸使いを学ぶ 食事のマナー「和食」編(2012年2月20日号)