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「学校図書館賞」表彰式
6月11日の記念日に開催

「実践の部」で4氏受賞

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表彰式の様子

 「第41回学校図書館賞」および「第13回学校図書館出版賞」の表彰式が6月11日に開催された。

  今回受賞したのは、「学校図書館賞 実践の部」に山梨県笛吹市立一宮西小学校教諭・杉本洋氏、山口県周南市立富田西小学校前校長・松村真一郎氏、東京都立小石川中等教育学校主幹教諭・稲井達也氏の3名。また「学校図書館賞 実践の部 奨励賞」で酒本美恵子氏、「学校図書館出版賞」に「身近な地名で知る日本」(全6巻/黒田祐一著)を発行した小峰書店、「子ども・平和・未来 21世紀の紛争」(全5巻/吉岡攻編)を発行した岩崎書店が受賞た。

  受賞者発表会では、学校図書館賞を受賞した3氏が発表を行った。杉本氏は「司書教諭が児童の学習活動に寄与する方策について試みた実践 ‐司書教諭の専門性から考える『今、できること』と『今、やるべきこと』‐」と題し、司書教諭としての15年間の実践についてまとめた。学校図書館の「学習・情報センター」的機能の充実を図り、PCの導入など、これまでに勤務した3校の事例を紹介。また児童の絵本作りの実践を発表した。学級担任を持ち時間的に制約がある中で、司書教諭が継続して活動するためには「実践を多くの先生方に見てもらい、その中から学校図書館の持つ可能性を感じ取ってもらう」ことの必要性を提示した。

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一宮西小学校の児童による絵本

  松村氏は「調べ学習を支え、発表力を育成する学校図書館」として、学校長の立場から、学校全体で温度差なく学校図書館活用・読書指導を行うための取り組み発表した。同校では学校経営の中核に学校図書館の活用を据え、調べ学習の準備として各単元に必要な書籍を集積し、児童たちの本選びがスムーズになるようサポートした。さらにブックリストとして蓄積して次年度への活用につなげている。

  稲井氏は「都立中高一貫校におけるカリキュラムと連携した学校図書館活用‐豊かな読書活動と調べ学習の充実を目指して‐」として、まだ事例の少ない中高一貫校の取り組みを紹介。6年間のカリキュラムと連携し、1年(中学1年)から5年(高校2年)までの「総合的な学習の時間」の特色化を図るとともに、学校図書館での読書活動や調べ学習の充実を図るカリキュラムを作成したほか、国語科の授業で「読解力」や「批判的思考力」を育成するために、学校図書館の新書・新聞・雑誌・インターネットなどを活用した授業実践などの報告を行った。

  なお酒本氏は「中野区立中学校学校図書館指導員12年間の実践研究集録‐全16校(閉校4校、新校2校を含む)の実践」で「奨励賞」を受賞した。

  「学校図書館賞」「学校図書館出版賞」は、(社)全国学校図書館協議会(全国SLA)と日本学校図書館振興会が、学校図書館のいっそうの発展を図るために、学校図書館の振興と学校図書館向き図書の出版の振興に著しい業績を示した個人および団体を顕彰するもので、6月11日の「学校図書館の日」を記念して毎年開催されている。今回「学校図書館大賞」「学校図書館賞 運動の部」「同 論文の部」「酒井悌賞」「岩崎徹太賞」「小峰廣恵賞」「村松金治賞」「学校図書館出版大賞」は該当なしとなった。

【2011年6月20日号】

教育家庭新聞