ブースのデザインも自分で考える |
世界中を転戦しているF1のシンガポールGPは、市内公道を封鎖し、唯一夜間レースが行われる。F1より一日早い9月25日、9歳から19歳までの学生が参加する「F1 イン・スクールズ決勝戦」が行われ、自分たちで設計した小型の車体を、並列した2本の直線20メートルコースで走らせた。結果は参加18か国・25チームの中から、アメリカ合衆国のユニタス・レーシングチームが総合優勝した。
シンガポールで開催
「F1 イン・スクールズ」は、あらゆる地域・国の若者にF1を理解してもらうための教育プログラム。1チームは3人から6人で構成され、製図のソフトウエアCAD・CAMを使って設計製図し、さらに共同研究、分析、製作、テストを行う。車体の大きさは、およそ長さ20×幅4×高さ5センチで軽いバルサ材が使われている。
本物さながらのスタートダッシュ |
競技を行う学生は車体を作るだけではなく、自分たちで予算を立てスポンサーを探して基金を作る。集めた基金は、ユニフォーム作りやアピールするためのブースの飾り付け、口頭でのプレゼンテーションなどに使われる。
競技は、チームから1人がスターターとして選抜され、本物のF1のスタートのようにライトが点滅し、それに合わせてボタンを押す。そうすると、小型の炭酸ガスのボンベから高圧のガスが噴出し、これを利用して車を押し出す。
「F1 イン・スクールズ」の創設者であるアンドリュー・デンフォード氏は、「コンピューター・IT技術を駆使し、物理、空気力学、設計、製造、ブランディング、製図、マーケティング、リーダーシップ、資金戦略等、幅広く学べる教育プログラムである」と説明する。
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判定基準は、車のスピード、車のデザインと設計図、チームワーク・団結力・アピール力、マーケティング・資金調達、口頭でのプレゼンテーション、ピット(ブース)のディスプレイなどとなり、優勝チームには大学4年間の奨学金が授与される。
【2010年10月16日号】