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当事者の負担を主観的に体感して
セルフエスティーム版運用開始

ヤンセンファーマ「バーチャルAD/HD」

医療・教育の従事者へ向けて

 2008年12月より「バーチャルAD/HD」を運営し、AD/HDのある子どもの世界を疑似体験できるようにしているヤンセンファーマ(株)は、9月29日より、「バーチャルAD/HD セルフエスティーム版」の運用を開始、医療従事者のほかに教育関係者などにも活用して欲しいとしている。

  AD/HDをもつ子どもたちが、家庭や学校生活をすごす中で感じる「困難さ」が、セルフエスティーム(自尊感情)を低くしている。セルフエスティーム版は、それらを体感できるように工夫され、当事者にしかわからない精神的負担を主観的に体験できる。

  セルフエスティーム版監修者の北海道大学大学院 教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター教授の田中康雄氏は、「わざとやっている、ふざけている」とも捉えられがちなAD/HDの特性への誤解に対し、良かれと思って叱責や注意を続け、当事者の努力不足を非難することは、間違った対応であると共に、よくある誤解でもあるとし、それがセルフエスティームの低下につながり、本人の自己評価が下がってしまうと懸念する。

  田中氏によると、30%から40%は大人になってもAD/HDが続くため、その特性を正しく理解し、心理社会的療法と薬物療法から正しい対応を行い、セルフエスティームを改善して自信を持たせることが必要。「親もセルフエスティームを下げていることもあります。学校等との連携や社会的啓発活動を通じて環境を調整し、長所をみつけてあげて欲しい」と語る。

セルフエスティーム版は全国で貸し出しを行っており、申込みはホームページで受付中。
http://www.janssen.co.jp/

【2010年10月16日号】