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「心の豊かさ」は「音楽」で育まれる

音楽と教育の意識調査 ― TOA

この1年間で子どもに芸術文化を体験する機会を与えましたか?
音楽と教育の意識調査

芸術を体験する機会は少ない

 業務用音響機器などを製造・販売するTOA(株)は、「音楽に対する意識」と「音楽と教育の関わり」を考察する「音楽と教育の意識調査」を4年連続で実施してきた。調査対象は子どもを持つ20代から60代の男女で、有効回答数は500件。

  子どもが生きていく上で、どんな力が必要だと思うかを親に聞いたところ、3年連続で「心の豊かさ」が5割を超えトップとなり、次いで高かったのが「コミュニケーション力」となった。
その「心の豊かさ」を育てることに役立つ教科では、「音楽」が33・2%でトップとなり、次いで「図工・美術」(27・0%)、「国語」(26・0%)が高くなっている。また、「日々の生活を楽しく暮らすのに最も役立つ教科」や「繊細な感受性を育てるのに最も役立つ教科」でも「音楽」がトップの回答となった。

  学校以外で、子どもに音楽ホールや劇場、美術館などで芸術文化を生で体験する機会を与えたいと思う親は85・9%(「そう思う」41・4%、「ややそう思う」44・5%)にのぼる。「経験する機会を与えたい芸術文化ジャンル」(複数回答)では、「音楽」がトップで88・0%。次いで「美術」(50・6%)、「演劇」(46・6%)となる。しかし、「実際に子どもに体験する機会を与えたか」を聞いたところ(上図参照)、最も多かった「音楽」でも36・1%、最も少なかった「伝統芸能」では17・9%、芸術文化平均では27・6%にとどまった。実際に芸術文化に接する機会を与えた親は、その後も機会を増やした人が多く、厳しい景気環境の中、家庭の経済事情の二極化が進んでいることが見て取れる。

  景気悪化の影響からか、国や地方自治体が文化・芸術を支援することは望ましいと考える親は77・8%で、3年前の2007年の調査より、7ポイント減少している。企業が文化・芸術を支援することは望ましいと回答した親も、3ポイント減少しているものの、82・2%が望ましいと考えており、相対的に企業への期待が高まっている状況が明らかとなった。



【2010年5月15日号】