特集家庭科教育における食の学習−学校栄養職員の関わり−
3段階の献立作り

 秋田・男鹿市立 船川第一小 家庭のおすすめ料理調べも

 自分の食生活や家族の食生活を振り返り、「自分で食べたい給食献立」「自分のための晩ご飯」「家族のための晩ご飯」と3段階の献立作りを通して、栄養面だけでなく家庭の食生活を考える授業「食事のことならわたしにまかせて」。
 1段階目「自分で食べたい給食献立」作りを終えた後、学校栄養職員より献立作りの配慮点を学ぶ。そして次のステップとして我が家の「おすすめの一品」を調べ、メニューカードを作成。お母さんが勧める料理のポイントや栄養価などを書き込み、各家庭から出されたカードを使って、「自分のための晩ご飯プラン」をたてる。さらに家族のことを考えた「家族のためのおすすめ晩ご飯」作りと発展させた。家族からのおすすめ料理を取材し、教材化することで自分や家族の食生活を見つめ直し、家庭生活と結びつけながらの実践が可能となった。
 授業の中では、献立を立てるということに焦点を置き、実際に調理を行うことはなかったが、家族のためにたてた献立のレシピを持ち帰り、家庭での調理実践へと結びつけた。
 献立作りを3段階にレベルアップさせそれぞれ観点を設定したことで、ただ漠然と食べたい献立をたてていた1回目、学校栄養職員から学んだ後の2回目には栄養や色どり、味つけなどを考えて選ぶことができ、さらに3回目の家族のことを考えた献立作りでは、実生活を考え、親や兄弟など対象がはっきりすることで家族への思いをこめながら取り組むことができた。
 「ただ3回同じように献立をたてるのではマンネリ化しますが、それぞれクリアする目標を明らかにすることで子ども達にやる気もでてきました」と滝口幹子教諭(今年度より秋田市立泉小学校勤務)。
 
学校栄養職員のかかわり
 
 学校栄養職員による献立作りのポイント説明は、栄養面や彩り、味付けなどのほか、学校給食での配慮点などにも触れた。「献立への配慮点を聞く中で、給食を作る人の気持ちなどを知ることもできました。栄養面など普通のポイントだけでなく、こういった話を話せることができるのも学校栄養職員ならではの指導かと思います」(滝口先生)。単元の最後である「家族のおすすめ晩ご飯作り」の発表時にも学校栄養職員が参画し成果を見守った。





(2002年7月13日号より)