●高等学校の生物教育における重要用語の選定~日本学術会議 (2017年09月29日)
日本学術会議が、高等学校等の中等教育の場で用いられる生物化学分野の用語に関する検討を行いました。特に高等学校の生物教育で学習すべき指針として、最重要用語254語、重要語258語を選定しました。
高等学校の生物教育で使用される用語については、従来より語数の多さと不統一が指摘されていました。そして生物化学、生命科学がさらに進化を遂げた結果、高等学校の生物教育で扱われる用語が膨大になり、現行の教科書「生物」では、延べ2,000を超える数の用語が重要と指定されています。これは学習上の障害となっているばかりでなく、生物学が暗記を求める学問であるという誤解を生んでおり、大学入試の受験科目の選択においても敬遠されるなど、高大接続のあり方にも深刻な影響を及ぼしています。
学習指導要領の改訂時期を迎えるにあたって、高等学校生物の用語の多さが指摘され、改善が求められる見込みです。速やかに生物学が知識だけでなく思考で取り組むべき学問であるという認識を取り戻す必要があります。
選定にあたっては、学習すべき主要な概念とのつながりを重視し、用語の変遷にあったものについては、原則として学界での一定の定着があったものを採用。国際的に確立している用語を優先し、可能な限り英語との一対一対応を取り、英語での使用頻度を重視しました。中学校までに学習している用語でも、高等学校の生物教育においても重要と思われるものは残しています。
個人名は採録せず、分類群が主なもののみとしました。実験名は原則採録せず、化学物質名・酵素名などは、高等学校までの生物教育に必要な最小限としました。病名は生物学的な現象・症状を表す語のうち必要最小限、学問分野名は採録していません。遺伝子名、遺伝子座名、突然変異名も原則として採録していません。また、この企画に複数の同義との統一や混乱の見られる用語の呼び換えも提案しています。
生物学が暗記科目ではないという認識が生徒に定着し、生物学を積極的に学んでくれることで、生物学の発展、学力向上につながることが期待されます。
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投稿者 kksblog : 2017年09月29日 23:11