●メディアによる暴力表現等が青少年に与える影響を調査研究~文科省 (2017年08月30日)
文部科学省は、『青少年を取り巻くメディアと意識・行動に関する調査研究』の報告書を公開しています。青少年の非行防止・健全育成に向けた取組のための基礎的な資料を得ることを目的に、国内外でのメディアによって表現された暴力・残虐表現等が青少年に与える影響に関する実証研究の動向について調査しています。
調査は、オンライン(インターネット)およびオフライン(書物、テレビ、ビデオ、ゲームなど)のメディアによって表現された暴力的有害情報が青少年に与える影響の実証研究についての文献調査、教育関係者、医療関係者、インターネット通信事業関係者等の専門家へのヒアリング調査、個々の実証論文等の分析によって行われました。
研究結果によると、テレビ暴力視聴が、子どもたちに何らかの影響を及ぼしている、因果関係があることを示しています。短期的な影響は子どもよりも大人に対して大きく、長期的な影響は子どもに対して大きいそうです。一般的には、幼児や小学生など、低年齢の子どもたちのほうがメディアの影響を受けやすいと考えられています。ただ、暴力的メディアへの接触が、犯罪的な暴力行動まで影響を及ぼすかは確立されていません。
暴力的なゲームへの接触は、攻撃的行動、攻撃的認知、攻撃的感情に加え、脱感作(暴力的な表現にへの慣れ)、感情移入の欠如、向社会的行動の欠如に正の相関があるとしています。一方で、影響を否定する分析結果もあり、論争となっています。
インターネットについては、若者のインターネットの使用が、依存やネットいじめ、性的な誘惑、自傷行為、自殺願望、うつのリスク増加等と相関。またオンラインゲームは攻撃性に影響があるとしています。ただし、すべての子どもが同じように影響を受けやすいのではなく、もともと攻撃的な性格の持ち主がオンラインゲーム中毒になりやすいといった研究もあります。
こういった影響からの予防策として、メディアリテラシー教育の推進、家庭での「時間」に関する具体的なルールづくり、親子間のコミュニケーションといった保護者との関わり方、レーティングやフィルタリング活用とその認知度向上と掲げています。
影響あるものの完全排除は難しいことからも、どう向き合い、共存していくかが課題ですね。
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投稿者 kksblog : 2017年08月30日 10:27