●学力と社会性をはぐくむことが高校中退の防止に結びつく (2017年06月12日)
国立教育政策研究所が、高校中退に関するより詳細な実態を捉えるために調査を実施し、その報告書を公表しました。
高校3年間で、結果的に中退した生徒について、中退以前からの意識や行動の変容過程を把握する調査で、高校生活に関する意識や行動を35項目の質問で尋ねています。
調査結果より、全学年を通じて有意差の認められた項目は、「まじめに授業を受けている」「学校行事に熱心に参加している」でした。この2項目の改善は、中退の歯止めになる可能性が高いことがわかりました。
高1中退者は、7月に該当項目の平均値が大きく下降していることから、高1での中退を防止するためには、1学期の働きかけが大切です。この期間に学ぶことの意義や現在の学習と自己実現のつながりを考えさせること、基礎学力の定着、学年行事の時期の再考などは、結果的に高校中退の防止に結び付くと考えられます。
そして、中退者は、有意差のあった項目のほとんどで、平均値が最終的に2.5を下回っていることから、各学期程度で意識調査等を行い、否定的回答ばかりになっていないか生徒の動向を把握することが大切です。日々の授業や学校行事に主体的に取り組む姿勢は、高校中退の防止に結び付く可能性が高いようです。
高1、高2、高3中退で比較すると、「授業がよくわかる」は、高1のみ大きく減少していることから、授業がわかることは、高1での中退の歯止めになる可能性がく、同様に中退者間で比較すると、高3は話し相手が「家族」であるとの回答し、家族と会話できる環境であるほど、中退の歯止めになる可能性が高いようです。
中退防止に向けた積極的な指導として、学力を向上させる学習指導とキャリア教育を含めた社会性を育む指導の両方が機能することが大切といえます。このような調査結果から、高校中退の防止に向けた取組がより実効的になることが期待されます。
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投稿者 kksblog : 2017年06月12日 23:57