●不登校児童生徒の学習等に対する支援の充実について~文部科学省 (2017年03月01日)
文部科学省は、フリースクール等に関する検討会議による、不登校児童生徒による学校以外の場での学習等に対する支援の充実についてをとりまとめました。
フリースクール等で学ぶ子どもたちの現状を踏まえ、学校以外での学習の制度上の位置付けや、子どもたちへの支援策の在り方、経済的支援の在り方等について検討しました。
平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」における義務教育段階の不登校児童生徒数は約12万6千人で、平成24年度から3年連続で、人数・割合ともに増加しています。
生徒指導調査において、義務教育段階の不登校の要因を「本人に係る要因」でみると、「不安」や「無気力」が約6割を占めます。また、小・中学校とも「不安」の傾向がある不登校児童生徒のうち、この理由として「家庭に係る状況」「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が多く、「無気力」の傾向がある不登校児童生徒のうち、この理由として「家庭に係る状況」「学業の不振」が多くなっています。また、不登校経験者へのアンケートに基づく追跡調査5においては、「友人との関係(いやがらせやいじめ、けんかなど)」を不登校のきっかけとして挙げた者が半数以上であり、次いで、「生活リズムの乱れ」、「勉強が分からない」を挙げた者が3割、さらに、「先生との関係」を挙げた者が4分の1を超えています。
検討会議においては、様々な要因・背景がある中で、学校において、児童生徒間のいじめやトラブルに対して適切な対応がされていなかったり、児童生徒が理解できるよう学習指導を行うことが十分できていなかったり、学校が安心して通える児童生徒の居場所となっていなかったりするなど、学校環境に起因した不登校も少なくないという指摘がありました。
学校においては、こういった長期に不登校となっている児童生徒に寄り添いつつ学校環境を整えたり、教員が児童生徒と関わりを持ち続けたりすることが必要です。また、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する学校の設置や、夜間中学での不登校児童生徒の受入れといった、既存の学校の仕組みの活用も重要です。それらと同時に、このような児童生徒が学校で学習活動や体験活動、友人と触れ合う機会などを十分得られていないことを踏まえ、学校以外において様々な活動を行うことができる場所や機会を確保するなど、学校以外の場での学習等に対する支援を行い、その社会的自立や社会参加を目指すことが必要です。
教育委員会、特に義務教育に責任を負う市区町村教育委員会が、国や都道府県教育委員会と連携し、学校と緊密な情報共有を図りながら、不登校児童生徒に対する学校以外の場での学習等に対する支援を推進する役割を担う必要があります。また、都道府県教育委員会においては、域内における学校以外の場での学習等に対する支援が推進されるよう、市区町村教育委員会の取組への支援や市区町村教育委員会間の情報共有の推進など、広域的な観点から支援の推進に取り組む必要があります。さらに、国においては、モデル事業の実施や先進事例の周知等を通じて学校以外の場での学習等に対する支援に関する好事例を普及させるとともに、必要な人的・財政的措置を通じた環境整備の一層の充実を図る必要があります。
不登校児童生徒の状況は様々であり、教育委員会・学校を中心に不登校児童生徒に関わる関係者の連携が重要です。児童生徒の状況や必要な支援を見極めるために実態把握やアセスメントを行うとともに、児童生徒や保護者がどのように支援内容等を受け止めているかを把握しながら、適切な役割分担ときめ細かい連携の下で必要な支援を継続することが大切です。
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投稿者 kksblog : 2017年03月01日 21:48