●大学の数理・データサイエンス教育強化方策について~文部科学省 (2016年12月27日)
文部科学省が、「数理及びデータサイエンス教育の強化に関する懇談会」においての、これまでの議論についてのまとめを公表しました。
近年、ICTを最大限に生かした新しい価値やサービスが次々と創出され、社会の主体たる人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」が未来社会の姿として示されるとともに、こうした社会を世界に先駆けて実現するための取組の強化、社会における新しい価値・サービスの創出に向けた技術基盤の強化、人材育成の必要性が示されています。このような社会においては、広範囲かつ目的に整合したデータの取得を前提として、それらのデータに内在する本質的構造を見極め、数理的思考に基づいて解析・問題解決を行う能力、データサイエンスを活用して新たな価値を生み出し、有用なシステム構築につなげる能力が求められます。このため、数理的思考力とデータ分析・活用能力を持つ人材の育成が必須となっており、社会に価値やサービスを生み出すという目的に合致した大学教育システムの構築が必要とされます。
文部科学省が取り組む方策としては、数理・データサイエンス教育研究センター(仮称)の整備があります。専門分野を超えて、数理・データサイエンスを中心とした全学的・組織的な教育を行うセンターとしての機能を有する組織を整備し、数理的思考やデータ分析・活用能力を持ち、社会における様々な問題の解決・新しい課題の発見及びデータから価値を生み出すことができる人材の育成に資する教育体制を構築するための全学的・組織的な取組等を支援することが必要です。
また、コンソーシアムにおいて、全国的なモデルとなる標準カリキュラム(一般教育・専門基礎教育において必要となる中核的・基礎的な能力育成に係るカリキュラム)・データセット等の教材を協働して作成・普及に取り組みます。
専門教育においては,ある現象や社会的課題に対して,各専門分野と数理・データサイエンスを掛け合わせて解決方策を提示する教育を行う必要があることから、センターを地域や分野における拠点として、大学、産業界及び研究機関等と連携したネットワークを形成し、実践的な教育の実施を支援することを検討します。
膨大なデータが溢れる時代において、諸外国と比較すると企業では意思決定におけるデータとアナリティクスの活用に遅れをとっている状況です。世界に先駆けた「超スマート社会」の実現に向けて、我が国の産業活動を活性化させるために必要な数理・データサイエンスの基礎的素養を持ち、課題解決や価値創出につなげられる人材が必要不可欠です。大学の数理・データサイエンスに係る教育強化による人材育成が期待されます。
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投稿者 kksblog : 2016年12月27日 11:32