●ジャーナルに注目した論文分析で論文や論文発表の特徴を明らかに (2016年10月19日)
科学技術・学術政策研究所が、ジャーナルに注目した論文分析を行い、オープンアクセス(OA)ジャーナルから発表されている論文の特徴及び主要国(日本、米国、ドイツ、フランス、英国、中国、韓国)の論文発表の特徴を明らかにしました。
調査は、ジャーナルの特性として、OAジャーナル(論文をインターネット上に公開し、誰でも無料でのアクセスが可能なジャーナル)かどうか、各国からみて出版国が自国かどうかの2軸で、ジャーナルを4つの区分(自国Non-OA、他国Non-OA、自国OA、他国OA)に分類。また、使用言語、論文の共著形態、国別の論文引用のされ方等の論文の特性に注目し、主要国の論文発表の特徴を分析しました。対象は、ジャーナルと論文使用言語の収録範囲を考慮し、エルゼビア社のScopusを使用して2004年から2012年に発表された論文です。
調査結果から、非英語圏の国においても、英語が使用されている割合が著しく高いこと、国際共著割合が高いこと、他国から引用されている割合が高く、国数もより多いこと、他国OAジャーナルから発表されている論文は、主要国以外の国からの引用割合が高い傾向があることが明らかになりました。
日本については、OAジャーナルから発表されている論文数の割合は、主要国と同程度であり約12%であること、工学と計算機科学・数学で自国Non-OAジャーナルから発表されている論文数割合が相対的に高いこと、自国Non-OAジャーナルと比べて、自国OAジャーナルから発表されている論文でQ値(全論文数に占めるTop10%論文数の割合)が高いことから、OA化によるアクセス機会の増加が、自国ジャーナルであっても、被引用数の増加につながる可能性があること、主要国の中で日本のみ、他国OAジャーナルから発表されている論文数の増加が、論文数の増加に最も寄与していることが明らかになりました。
世界全体で論文数は増加し、ジャーナル数も増加しています。また、オープンアクセスが進むことで、あらゆるユーザーが研究成果を広く利用可能となり、新たな価値を生み出していくことが可能となるとされています。このように、オープンアクセスを推進しているものの、日本におけるオープンアクセスの状況や実態は十分には把握されていないそうです。このような調査により、ジャーナルに注目して主要国の論文発表の特徴を明らかにすることで、オープンアクセスと研究データのオープン化の推進体制が構築されることが期待されます。
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投稿者 kksblog : 2016年10月19日 18:58